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アートディレクター
笹原大

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こんにちは。アートディレクター笹原大です。私がディレクターに至るまで、さまざまな案件に参加し、スキルを磨いてきました。その歴史を振り返ると、自身の取り組みの一つひとつが今に繋がっているんだ、ということを強く実感します。
そこで今回は、私がキャリアを描いていく中で感じた、自身の市場価値を高めていくための方法としての自己プロデュースの大切さについて、お話できればと思います。

笹原大(ZERO所属)
2015年にWebデザイナーとして入社。現在は、アートディレクターとしてWeb領域を中心に活動し、これまでAR・ムービー・ アプリ・SNSなどのデジタルコンテンツ制作に数多く取り組む。
また、自主制作としてSNSアカウント”日刊タイポ”にて、「文字で遊ぶ」をテーマに日々作字活動中。[Instagram約6.9万フォロワー(2024.1時点)]

自主制作がきっかけで、キャリアが大きく動いた

私は元々グラフィック志望でたきコーポレーションへと入社したのですが、実際の採用はWeb領域のチームへの配属で、配属されてからはとにかく先輩の案件などを手伝い、デジタル領域のコンテンツ制作を日々勉強していました。

そんな中、当時私は個人的な制作活動として、自作のタイポグラフィーをSNSで発表していたのですが、その取り組みを社内で知ってもらった事がきっかけで、3年目頃に転機が訪れました。
それはある大手飲料メーカーのSNS運用プロジェクトに参加するきっかけをいただいたことです。自分でもそこがSNSの仕事につながるとは当時思っていませんでした。

SNS運用はその後数年にわたって継続する長期プロジェクトになり、さまざまなことに挑戦できました。オーソドックスな商品バナーの制作はもちろん、SNSの機能を活用したキャンペーン企画やアンケート、抽選、迷路やくじ引きを楽しめるイラストだったり、シーズンに合わせた商品撮影など、自由にアイデアを活かせる環境で、当時入社数年目でまだまだ若手ながらさまざまな知見を得ることができました。
またそうしたSNS運用に付随して、商品のCM撮影現場に訪問させてもらい、楽屋でのサプライズ企画など、デザインだけに留まらないディレクション業務も経験できたのは、自身にとって大きな収穫だったと思います。

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今も続けているSNSでの制作 現在は日刊タイポという作字ユニットで活動

取り組みのすべてが、自分にしかない強みになる

たきコーポレーションに入社してもうすぐ10年。Webディレクターとして、現在に至るまでたくさんの経験を積んでこられたのは、ひとえにどんな仕事であっても任せてもらえたことをがむしゃらにやってきたからだと思います。

これは当時の部署の特性でもあるのですが、その頃Webやデジタルといった領域は社内でも比較的マイノリティな存在だったということもあり、自分たちの部署ですべてを完結するというよりは、自らが獲得してきた案件を他の部署に手伝ってもらったり、逆に他の部署が獲得してきた案件のWeb領域を手伝ったりすることが多かったんです。そのため、関わる案件の種類もさまざまで、また関わる人もさまざま。だからこそ、自然と仕事のスキルが広がっていきましたし、社内での人脈も広がっていきました。

そうしてスキルや人脈が広がってくると、あの案件だったら笹原に任せてみよう、初めての案件だけど笹原ならわかるかな?といった具合に、社内での存在感も高まってきます。
例えその時は成り行きでやることになった仕事だとしても、それをやり切ることで自分の中の経験やスキルが積みあがっていく。そうして積み上げた経験が、また新たな仕事を獲得するきっかけになっていくんですよね。

そう考えると、自己プロデュースと言ってしまうと少々大げさかもしれませんが、自分は何ができるのか、何がしたいのかといった発信は、キャリアを描いていく上でとても大事なことだと感じます。仕事の経験・スキルはもちろんですし、極めてプライベートな細々とした趣味であっても、それを発信することによって注目してくれる人は必ずいるもの。どんなものであれ、今やれることを一生懸命にやっていけば、巡り巡ってそれが自身の市場価値を高めてくれるようになるんです。

積み上げた経験と広げた人脈が生んだ成果

スキルを増やして磨き、人脈を広げていった結果として取り組めた案件の一つが、日本食品化工様の事例です。この会社は商社を母体に持つ素材メーカーなのですが、コーポレートサイトをフルリニューアルすることになり、競合プレゼンの末、見事当社に任せてもらえることになりました。

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実際のコーポレートサイトリニューアル後のイメージ

この時は、Webディレクター、コピーライター、アートディレクターという座組を当社内で組んでプレゼンを行ったのですが、そこがストロングポイントになったのではないかと考えています。手前味噌な話ではありますが、Webの観点、コピーライターの観点、ビジュアルの観点でうまく役割が噛み合ったこと、そしてデザインと内容がよくまとまった提案だと評価いただきました。
結果、見た目の綺麗さと高い機能性を有したサイトを実現できたと思っています。

こうした提案ができたのも、私自身がこれまでWebをベースとしたさまざまな経験を積み、プロジェクトメンバーそれぞれの役割を理解し、適した連携が取れたからではないでしょうか。

たきコーポレーションには各領域にプロフェッショナルと呼べる存在が多数在籍していますが、彼らのスキルを効果的に発揮してもらうという意味でも、自身の社内での存在感を高め、協力してもらえる関係性を築いておくことが大切だと思います。

無駄になってしまう経験は一つもない

デザインの仕事において、無駄になってしまう経験は一つもないと言っても過言ではありません。私自身のキャリアを見ても、ターニングポイントが生まれたきっかけは自主制作活動ですしね。そういう意味では、任せてもらった仕事に対しては全力で取り組みつつ、その一方で自身が目指したい方向性というのもしっかり持って、自発的に活動していくことが大切だと思います。
興味があること、やってみたいこと、任されたこと……すべてに対して一生懸命に取り組んでいけば、自分だけの経験が身に付き、その経験を掛け合わせることで自分にしか生み出せない価値が作られていくのだと思います。