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デザイナー
米山浩太郎

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ブランディングに欠かせないVI、ロゴ開発。
たきコーポレーション IGIではこれまでに3000社を超えるVI開発を手がけてきました。
今回の記事では、架空の企業を例にIGIでのVI開発の具体的な流れを、日々ブランディングに向き合うデザイナー・米山がご紹介します。 

米山 浩太郎(IGI所属)
2013年桑沢デザイン研究所に入学。アートディレクターである浅葉克己氏のゼミに入り、タイポグラフィを中心にグラフィックデザインを学ぶ。卒業後、株式会社たき工房(現株式会社たきコーポレーション)に入社。2018年に大規模イベントの組織へデザイナーとして出向後、2022年からブランドデザイン部 IGIへ入り、企業のブランディングに携わる。
昨今は趣味として始めたCGを用いて映像やビジュアルの制作を行うなど活動の幅を広げている。

VI=ビジュアルアイデンティティとは?

企業のブランド価値、コンセプト、パーパスなどをヴィジュアルとして可視化しているもので、ロゴデザインなどを中心に、ブランドカラーやグラフィックエレメント、指定の書体などブランドを象徴する要素一式を総称して「VI(ビジュアルアイデンティティ)」と呼びます。

VI開発はリサーチ、VI開発、システム開発など、いくつかのフェーズを経て完成します多くの場合は約半年ほどをかけて取り組んでいます。

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ここからはIGIが行っているロゴ開発の流れを「河木不動産」という架空の企業を例に、ご紹介していきます。

phase 0:キックオフ

VI開発に取り組む経緯や目的、プロジェクトの基盤を整える土台づくり

今回の例では、架空の企業の「河木不動産」が経営方針の変更に伴い、社名を「bever株式会社」へと変更しリブランディングをするという設定でロゴ開発に取り組みます。「bever株式会社」というネーミングには「be+ever=あり続ける」という意図と不動産屋として、空き地などの周辺環境を開拓して新しいサービスをはじめていくという想いで、動物のビーバーをモチーフとして掛け合わせたものです。

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ちなみに、社名、ブランド名など名称については、決定済みの場合は支給いただきますが、私たちIGIにはコピーライターも在籍しており、ネーミングからご提案することも可能です。このプロセスについてはまた別の機会にご紹介させてください。

プロジェクトのキックオフとなる初回のミーティングでは、VI開発に取り組む経緯や目的をうかがい、要件を整理します。お客様とIGIメンバーなど、背景が違うチームメンバーが垣根を超えて共通認識を持ち、ディスカッションできるような雰囲気づくりも大切にしています。

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phase1:リサーチ

対象となる領域(業界)の理解を深め、チームの共通認識を育む

リサーチでは業界や競合となる他社のVIについてまとめるとともに、お客様の本社看板やツール類、サービス、店舗、商品などをはじめ、経営層の方々へのインタビューを実施します。

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また、全てのプロジェクトで実施するわけではありませんが、経営層以外の社員の皆様へのアンケートやヒアリングを行うことも推奨しています。たくさんのレイヤーの皆様から意見をいただくことで、プロジェクトメンバーがより理解を深め、社員の皆様からも愛されるロゴにするべく、目指す方向性を定めていきます。

phase2:VI制作

リサーチで得た情報からキーワードを導き、ビジュアルを作成していく

いよいよVIの開発に着手しますまずはリサーチを通して得た情報を元に、これからの「bever株式会社」としてのビジョンを踏まえて、キーワードを導き出します。チーム内のディスカッションによって、“重要なキーワード”や“必要だがそこまで重要ではないキーワード”といった条件をつけていき、さらにカラーについてもイメージを膨らませていきます。

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次に書体に対する議論を行い、いくつかの方向性で案を作成し、およそ6案〜12案程度を作成、ご提示します。

お客様への初回提案を経てフィードバックを伺い、提案の中から3案ほどに絞り込んでいきます。ここでは「」の3点が候補となりました。

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2回目の提案では、それぞれの使用例やツールに落とし込んだ時の見え方をご確認いただき、具体的なイメージを膨らませます。
また、カラーリングについても細かな検証を行い、同時に具体化を進めていきます。

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この段階で図形商標についても調査を実施します
本調査と商標の申請は約1年程度かかるため、ほとんどの場合は簡易調査を行います。
*この調査については、今後の対応を踏まえ、お客様から弁理士様へのご依頼となるケースが多いです。

さて、いよいよ最終案の決定。
これまでの議論を通して、踏まえるべきポイントについてもグラフ化するなど判断しやすくなるように可視化し、チームでのディスカッションを経て、デザインの決定に至ります。

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さまざまな議論を経て、決定するロゴですが、そのまますぐに納品というわけにはいきません。色々な状況で正しく認識できるように細部を調整する< 精緻化 >という作業を行います。
ロゴとして長期にわたって愛され、使用できるように形として見やすくするだけではなく、造形的・システム的に高めていきます。

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精緻化の作業を経て、カラーバリエーションやスローガンの有無などのバリエーションを考慮し、複数のフォーマットで納品データを作成します。

phase3:システム開発

どの媒体でも視覚的な印象を統一するシステムの構築

私たちはあらゆる媒体において視覚的な印象を統一することが重要だと考えています
完成したロゴをどのように使用運用していくのかをまとめたマニュアルを作成します。例えば最小使用サイズの規定や背景色との関係、使用禁止の具体例などのルールを決めていきます。

このように多くのステップを経て、ロゴはようやく完成。
その後に名刺や封筒、ショッパーなどのアイテムに加え、Webサイトや動画、キービジュアルなどさまざまなクリエイティブの開発に進んでいきます。

さいごに

IGIのVI開発のポイント

IGIのロゴ開発では、徹底したリサーチと経営層へのインタビュー、現場の社員の皆様へのアンケートやヒアリングを実施することで、その企業やブランドの「らしさ」を包括的にビジュアライズすることを重視しています。

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たきコーポレーションが手がけたVI開発はおよそ3000件。確かな実績と約370名のクリエイターが生み出す“パワー・スピード・クオリティ”をもつクリエイティブの力で、多くの方に長く広く愛されるロゴをご提案します。
VI開発の際はぜひお問合せください!

また、この記事では詳細についてご紹介はできませんでしたが、VIの解説やさらに詳細な制作の流れ、事例を含む資料「ロゴ開発の裏側」は下記よりダウンロードいただけます。
VI開発の知見がぎゅっと詰まっていますので、ぜひご一読いただければ幸いです。

ダウンロードはこちら>>
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