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取締役
クリエイティブディレクター
藤井賢二

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2021年より導入された、たきコーポレーションの社内カンパニー制。そこでは、これまでの歴史や実績と、これからのアイデアやニーズを武器に、新たなカンパニーが複数誕生しました。新たに生まれたカンパニーの代表インタビューを通し、各社の強みや特徴を掘り下げていきます。

今回はIDEALの代表藤井賢二さん。IDEALの強みや最終的な目標について語っていただきました。

たきコーポレーションの新たな挑戦の先鋒を担う

――はじめに、藤井代表のこれまでのキャリアについて教えてください。

私は2001年にたき工房(現:たきコーポレーション)へ入社しました。大学卒業後は小さな広告代理店でアルバイトをしていた期間もあるので、ここが2社目ということになります。入社当時はグラフィックデザイナーとして働き、そこからアートディレクター、クリエイティブディレクターとキャリアを積み上げていきました。

そして、2023年にグループ会社の再編が行われたのですが、そこで新たに出来たのがUXデザインカンパニーIDEALです。元々私自身がUXに興味を持っていたことと、これまでのキャリアで築いてきたさまざまな実績を評価してくれてだと思いますが、その代表として白羽の矢が立ち、引き受けさせて頂きました。

――UXデザインは、たきコーポレーションにとっても新しいデザインカテゴリですよね。

そうですね。UXデザインそのものの歴史は長いのですが、デザイン市場で注目を集めるようになったのはここ数年のことでしょうか。その背景には、インフラが整い誰もがスマホやデジタルデバイスを持つようになったことで、企業や商品・サービスがデジタルを通じて価値提供をするようになったことがあると思われます。

ありとあらゆるものがデジタルを通じてユーザーに届けられるようになる中で、より魅力的に、より効果的に価値提供をしていくためには、単に今ある情報をWebサイトに落とし込むだけではいけません。そのWebサイトを見る人はどんな気持ちで訪れるのか、そして何を思い、どう動くのか。それらすべてを考えてデザインしていかなければならず、そうして求められるようになったのがUXデザインなのです。

日本国内においては、UXに先駆けてUIに注目が集まったこともあり、UI/UXのように同義語で語られるケースや、UIデザイナーがUXデザインを兼務するといったことも少なくありません。しかし本来はUXがあってこそのUIです。たきコーポレーションとして、UXに対してしっかりとクオリティを担保できることを示しつつ、UXを深く理解し実践できる人材を育てること。それこそが、IDEALが担うべき使命と言えるでしょうね。

行動変容から逆算したデザインを実現する

――そうした背景がある中で、IDEALが持つ強みとはどういったものなのでしょうか。

IDEALに所属するメンバーたちは、それぞれがUXのプロフェッショナルであることはもちろんですが、それに加えてデザインやコピーライティング、アートディレクションなど、各デザイン分野のプロフェッショナルでもあるという点ですね。

元々素晴らしい作品を作れる力を持った人たちが、そこからさらにユーザーにとってどうなのか、何を求めているのかといった視点を持ってクリエイティブを行う。そこに、当カンパニーの特徴があると思います。いわば、優れたデザインによって結果的に行動変容を起こさせようとするのではなく、行動変容をさせられるデザインを逆算して考え、実現できるということです。

デジタル化が進む中で、広告物や表現物など、クリエイティブなものに対しての「結果」や「成果」が見える時代になってきました。それこそ20年ぐらい前であれば、格好良いデザインにしておけば、それだけである程度効果が出ていましたし、やればやった分だけ効果に繋がってもいたのですが、現在ではそうはいきません。

広告一つ出すにしても、しっかりとした成果を目指していく必要があり、成果から逆算するようなデザインが求められています。そうした環境があるからこそ、UXの必要性というのは日に日に高まっており、私たちが提供できる価値というのも大きくなってきているように思います。

IDEAL代表インタビュー藤井賢二

UXが当たり前の存在になって欲しい

――IDEALの今後の目標、カンパニーとして目指していくゴールについて教えてください。

少し逆説的な話になってしまいますが、UXという言葉や考え方自体を無くしてしまうのが、私たちが最終的に目指すゴールだと思っています。

例えば一昔前は、ユニバーサルデザインという言葉が声高に叫ばれていましたが、最近ではその言葉を聞く機会はめっきり減りました。これは、ユニバーサルデザインに対する人々の関心が薄れたということではなく、当たり前の存在になっていったということです。商品にしてもデザインにしても、すべての人にとって使いやすく見やすいものを作っていこうというのは、もはやゴールではありません。むしろスタート地点と言っても過言ではないでしょう。

UXも、このレベルを目指していかなければなりません。UXに優れたデザインをしていこうとするのではなく、UXは優れていて当たり前の状態に持って行くこと。それこそが、UXデザインカンパニーであるIDEALの最終ゴールと言えるのです。

IDEAL代表インタビュー藤井賢二

――ありがとうございました。ちなみに、3月にたきコーポレーションが主催するイベントが開催されるんですよね。

そうなんです。公益財団法人日本デザイン振興会が行っている「GOOD DESIGN MARUNOUCHI 第3回企画展」で、2024年3月15日~4月14日までの約1ヶ月間で「人生の大事なことをゲームから学ぶ展」を開催することになりました。

そこでは、ゲームから得られる学びや教訓とUXデザインの関係性について展示をし、実際に学びが得られるオリジナルゲームを8つ制作します。大手ゲーム会社とも協力しながら行う、かなり大掛かりなイベントになる予定ですから、ぜひ注目して頂きたいですね。

昔からゲームをしている方であれば、なぜそこまでゲームを楽しめていたのかがUX視点でわかってくる、非常に意義のあるイベントになるはずですよ。

2024年2月9日・10日には本開催に先駆けてプレイベントも行う予定ですので、楽しみにしていてください。

「GOOD DESIGN MARUNOUCHI 第3回企画 人生の大事なことをゲームから学ぶ展」の特設サイトはこちら

※「GOOD DESIGN MARUNOUCHI 第3回企画 人生の大事なことをゲームから学ぶ展」は2024年4月14日をもって終了しました。

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