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マーケティング戦略において、企業と顧客・消費者との効果的なコミュニケーションを構築するためには、広告戦略の計画立案が必要不可欠です。本記事では、広告戦略の要素である広告の目的や役割、さらには目標設定に焦点を当てて解説します。また後編では、効果的な広告メッセージの表現戦略や適切なメディアについて探っていきます。

第1部 広告の目的と役割

1-1広告の目的

広告は企業やブランドの目標を達成するための有力なツールです。広告の目的を明確にすることで、キャンペーンの方向性が定まり、成果を最大化することが可能となります。まずは、広告の代表的な目的を紹介します。

〈知名度向上〉

新製品やサービスの知名度を高めるために広告を展開します。消費者にブランドを認識させ、興味を引くための手段となります。

〈売上増加〉

特定の期間における売上を向上させるため、セールやキャンペーンの告知を行います。消費者の購買意欲を喚起し、売上げの増加を促します。

〈顧客獲得〉

新たな顧客を獲得するための広告は、ターゲット層に魅力的なメッセージを伝え、新規顧客の獲得を支援します。

1-2マーケティング戦略のうち、どの部分を広告が請け負うのか

広告はマーケティング戦略の一環として位置づけられます。その効果を最大化していくためには、広告が果たすべき役割やその重要性を理解し、全体の戦略にどのように組み込むかが鍵となります。広告の役割は、主に以下のような点にあります。

〈ブランドイメージの構築〉

広告を通じてブランドの価値観や魅力を伝え、消費者にポジティブな印象を与えることで、ブランドイメージの向上を図ります。

〈ターゲット層へのリーチ〉

広告は広い層の消費者に対してメッセージを届ける役割を果たします。ターゲット層を特定し、その興味やニーズに合わせたアプローチを行います。

〈競合との差別化〉

広告を通じて、他社との差別化を図り、独自の価値を強調します。消費者になぜ自社の商品やサービスが選ばれるべきなのかを伝えます。広告がマーケティング戦略全体の中で果たす役割を適切に理解し、効果的な展開を図ることが成功への鍵となります。

第2部 広告の目標設定と評価基準

2-1広告の目標設定

広告には具体的な目標が必要です。達成すべき目標を明確に定め、キャンペーンの成果を評価する基準を設けることで、成功への道筋が描けるようになります。

目標達成の評価基準としては、以下のような例が考えられます。

〈クリック数〉

ウェブ広告の場合、広告をクリックしてウェブサイトに訪れたユーザーの数を評価基準とします。クリック数が多ければ、広告への関心が高いことを示唆します。

〈コンバージョン率〉

ユーザーが広告から実際に購買や申し込みなどの行動を起こした割合です。広告がユーザーの行動にどれだけ影響を与えたかを評価します。

〈広告費用対効果(ROAS)〉

広告費に対してどれだけの売上が得られたかを示す指標です。広告投資の収益性を評価します。

2-2達成すべき目標を数字で明確にする

広告の目標を数値で定量化することは、成果を見極める際の基準が明確になるというメリットがあります。具体的な数字を設定し、広告キャンペーンの成功判断を支援する手段をつくりましょう。

ここでの目標数値は、広告の種類や目的によって異なります。例えば、ウェブ広告の場合はクリック数やコンバージョン率、テレビ広告の場合は視聴率や効果的な露出回数などが目標数値となります。

広告の効果測定には複数の指標を組み合わせ、全体的な成功を評価する必要があります。効果測定において頻出するKGI(Key Goal Indicator)という言葉は、最終的な目標を示すものであり、広告自体の評価ではなく、ビジネス全体の成功に関連する指標です。

同じくKPI(Key Performance Indicator)という言葉は、KGI達成に向けた中間目標のことで、定量的な数値を定めるのが一般的。そのため、広告キャンペーンの成果を評価するための指標としては、KPIで設定すべきと言えます。

広告自体の効果を評価する際には、適切なKPIを選定し、定量的な目標数値を設定するようにしましょう。

第3部 広告ターゲットの設定とメッセージの調整

広告の効果を高めるためには、ターゲット層を明確に設定することが必要です。ターゲットのニーズや行動パターンを理解し、メッセージを最適化しましょう。

3-1誰に向けて広告を打つのか

広告のターゲット層を明確に定義することで、広告メッセージをより効果的に届けることができます。ターゲット層は、性別、年齢、趣味、関心、購買行動などの要因を考慮して選定します。具体的なターゲット層の特性を理解し、そのニーズや価値観に合ったメッセージを設計することが求められます。

3-2 広告ターゲットは、表現とメディアを規定する

ターゲット層の特性に基づいて、広告の表現や選ぶべきメディアを決定します。例えば、若年層をターゲットとする場合、カラフルで遊び心のあるデザインやSNSプラットフォームへの広告出稿が有効かもしれません。一方で、ビジネス向けの製品を提供する場合は、専門的なトーンとビジネス系のメディアを選択することが考えられます。

広告のターゲット層の選定は、広告の効果を左右する重要な要素です。ターゲット層を正確に捉え、それに合わせた表現とメディアを選ぶことで、広告の受け手に伝えたいメッセージを訴求しやすくなります。

 

 

続きは以下をご覧ください。

広告戦略の計画立案について〈後編〉