TAKI BLOG
TAKIブログ
テーマ:イベントレポート
更新日:2026.10.23
現役宇宙飛行士も登壇!「重力の異なる暮らしをデザインする展」開催
ブログ編集部

こんにちは、たきブログ編集部です。先日、港区南青山にて開催された「重力の異なる暮らしをデザインする展」。各界の著名人や現役の宇宙飛行士を招き、大盛況のうちに幕を閉じた本展示についてレポートします。

青山で「重力の異なる暮らしをデザインする展」を開催
2026年7月、港区南青山にて「重力の異なる暮らしをデザインする展」が開催されました。本展示の主催は、慶應義塾大学大学院 SDM研究科 白坂研究室。そして、運営等を通じて協力させていただいたのが、たきコーポレーションと、弊社CDOである藤井賢二です。
本展示では、大きく2つのコンテンツが用意されていました。一つが、無重力下での暮らしや未来を想像させるさまざまな発想、機械、デザインの展示。そしてもう一つが、著名なゲストを多数招いたトークセッションです。会員制サロンを貸し切った会場は、平日の夕方でありながらも多数の来場者であふれ、大きな賑わいを見せていました。
宇宙と日常を結びつける数々の展示
ここで、いくつか特徴的な展示を紹介していきましょう。
一つ目は、弊社CDOの藤井が制作した展示「重力の無い暮らしを想像する装置」です。歯ブラシやヘアアイロン、パンやフォークなど、私たちの日常生活でも馴染みの深いアイテムを、無重力下にあるかのように配置した本展示は、いかに普段の生活が重力と共にあるのかを直感的に伝えてくれます。

「重力の無い暮らしを想像する装置」
二つ目は、「The cup of space」。宇宙で使う器をテーマに、一見すると食器とは思えないようなユニークな形のアイテムが多数展示されていました。重力に依存した日常の行為が宇宙でどう変化するのか。新たな文化や美意識の可能性を提示してくれます。

「The cup of space」
三つ目は、「LUNAR CHAIR」。菌糸体の宇宙利用と、低重力下での身体感覚に応える意匠としてデザインされた宇宙の椅子は、まるで有機体のような見た目で、月面における生命と空間の新しい関係性を提示します。

「LUNAR CHAIR」
四つ目は、「SPACE SHOWER WIPES」。JAXAのJ-SPARCプログラムによる宇宙飛行士のQOL向上プロジェクトから生まれた宇宙用Gatsby(ボディーペーパー)です。この製品は2023年以降、実際に宇宙飛行士の携行品として活用されており、普段の生活ではあまり見る機会のない、生の宇宙用アイテムを目にする貴重な機会となりました。

「SPACE SHOWER WIPES」
その他にも、微小重力環境における細胞培養実験に特化した小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ」や、宇宙旅行への憧れを抱かせてくれる宇宙往還機コンセプト「Space Wonderlust」、茶道と宇宙体験を融合した体験型の展示「無重庵」など、独創的かつ印象的な展示が所狭しと並べられ、来場者はそれら一つひとつに目を輝かせながら、熱心に見学。制作者も同席するブースでは、制作者と直接交流しつつ学ぶ姿も見られました。

展示を楽しむゲストの様子
各界のトッププレイヤーが未来を語るトークセッション
もう一つのメインコンテンツであるトークセッションも、大いに盛り上がりました。
基調講演として、本展示の主催である慶應義塾大学大学院 SDM研究科 白坂研究室の白坂成功氏が登壇。宇宙産業の現状や、そこでの成長戦略、さらにそこでの勝ち筋などを網羅的に解説してくださいました。宇宙旅行といえば漫画やアニメのイメージが強い日本ですが、宇宙旅行が当たり前になる世界は目前まで来ており、そこにはさまざまなビジネスチャンスが潜んでいるという話はとても印象的で、来場者も真剣に耳を傾けていました。

白坂成功氏の講演の様子
そして、トークセッション第一部では、鹿島建設株式会社イノベーション推進室担当部長の大野琢也氏、株式会社the design labo代表取締役の板坂諭氏、スペースシードホールディングス株式会社代表取締役の鈴木健吾氏が登壇。モデレーターの宇宙キャスター榎本麗美氏からの質問に、それぞれの見地から意見を回答してくださいました。以下にその一部をご紹介しましょう。
Q:月で暮らすために必要なデザインとは?
大野氏:月の重力に慣れ親しんだ人と、地球から月へと来た人とでは、異なるデザインが必要になるのではないか。また太陽フレアが来た場合は何時間以内に逃げなければならないといった、避難を前提とした都市計画となるはず。その際にすぐに移動できる交通手段は何かなども考えておかないといけない。
板坂氏:月の重力下では、地球では実現不可能なものであっても成立し得るからこそ、月ならではのデザインが出てくるはず。また、月で原材料を調達するのが難しいという理由から、重厚なものはそもそも作りにくく、細いデザインが主流になっていくと思う。
鈴木氏:培養装置一つをとっても、そこで使う水の重量が下がれば、それを漏らさないためのアクリルなども少量で済むようになる。地球だと耐荷重的に無理だと思うのを、月面だとできると発想していくのが楽しい。回転によって人工重力を生み出すルナグラスに、ミドリムシの培養畑を作ってみたらどうなるかなど、想像が膨らむ。

トークセッション第一部の様子
さらにトークセッション第二部では、株式会社amulapo取締役COOの松広航氏、東京大学先端研AAD特任研究員の山下コウセイ氏、アーティストの日置あつし氏、たきコーポレーションCDOの藤井賢二が登壇。「重力の異なる暮らしとは?」「重力の異なる暮らしに必要なデザインとは?」をテーマに、議論を深めました。

トークセッション第二部の様子
現役の宇宙飛行士も登壇し、唯一無二のイベントに
最後に、特別講演として宇宙飛行士である山崎直子氏が登壇。実際に宇宙に行ったからこそ話せる体験談に、来場者は目を輝かせながら聞き入っていました。「数日間宇宙で生活をしていると、必ずしも正対して向き合うばかりではないからこそ、人の顔を想像する時に逆さまになってしまうことがある」など、時にユーモアを交えた素敵なお話に、会場の皆さまの宇宙への憧れがより一層強くなっていたように思います。

現役宇宙飛行士の山崎直子氏
その後催されたコミュニティ交流会では、会場の至る所で話が盛り上がっており、互いに夢を語り合う姿もあれば、実際のビジネスに発展しそうな予感を感じる姿も。
たきコーポレーションは広告デザインにとらわれず、先進性のある、未来に求められるデザインについても積極的に知見を広げながら、これからも社会に新たな価値を届け続けます。
