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ディレクター
三村友香

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こんにちは、たきコーポレーションのアートディレクター、三村友香です。私事ではあるのですが、先日自らの結婚式をプロデュースした一連の取り組みが、『日本タイポグラフィ年鑑2023』のグラフィック部門ベストワーク賞を受賞しました!
そこで今回は、受賞の経緯や私自身のデザインにかける想いについて、紹介できればと思います。

三村友香(ZERO所属)
2012年中途入社。ディレクターを務める。
近年は直クライアントの受注が増え、デザイナーとしてだけでなく、アートディレクターとして仕事に携わる。趣味は銭湯と温泉めぐり。お風呂に関する資格も多く所有。

デザイナーとして働く中で育まれた、お湯より熱い銭湯愛

2012年に中途入社し、現在はデザイナー兼アートディレクターとして、直クライアントの案件も多数担当させていただいていますが、もう一つ、私自身を紹介する上で欠かせないのが「銭湯」です。

仕事が忙しく、疲れを癒すために銭湯に行ったところ、すっかりハマってしまい、それまで以上に銭湯に興味を持つようになりました。大好きな銭湯にデザインで何か恩返しができないかと、銭湯好きのコミュニティに顔を出すようになり、様々な活動をしています。

そんな中出会った銭湯経営をしている方々との鼎談の様子はこちら
みらいデザインミーティングVol.3

日々銭湯愛を高めていく中で一つの契機となったのが、自身の結婚式。銭湯にまつわる活動の中で出会った人と結婚したこともあり、銭湯をモチーフにした完全オリジナル結婚式をプロデュースしました。

三村友香ブログ ポスター

銭湯愛を随所に盛り込んだ、唯一無二の結婚式

『I LOVE 湯』という、私たち夫婦が営む架空の銭湯をイメージし、ゲストに入浴しにきてもらうというストーリーを設定しました。

三村友香ブログ

招待状は私がデザインしたオリジナルの手ぬぐい。手ぬぐい片手に暖簾をくぐってゲストが集まってきます。

三村友香ブログ 手拭い

 

ウェルカムドリンクは銭湯でお馴染みのコーヒー牛乳&フルーツ牛乳。

三村友香ブログ ドリンク

 

席次を案内するエスコートカードは下足札がモチーフ。

三村友香ブログ 席次

 

エントランスで流れるのは友人作の「結婚行進曲×お風呂の音」のオリジナル曲。
会場の飾りもお洒落に飾られていますが、よく見ると、オリジナルうちわや、ラベンダー・菖蒲・柚子などのお風呂に馴染みのある植物、本物の石鹸、など、銭湯をテーマにしたものであふれています。

三村友香ブログオリジナルグッズ

 

富士山の形を模した装飾の前で「お風呂のような暖かい家庭を築きます」と夫婦の誓いを宣言。

三村友香ブログ

 

披露宴には「新郎新婦ご入場です」の代わりに「新郎新婦“ご入浴”です」のアナウンスで入場。高砂には、レトロな丸タイルで作った浴槽を。まるで新郎新婦が入浴しているかのような見え方なります。
背景には、著名な銭湯絵師である丸山清人さんに描いていただいた富士山がそびえます。

三村友香ブログ

 

お見送りの際にゲストに配るプチギフトは銭湯の鍵をイメージしたオリジナルキーホルダーを作成しました。
ちなみに引き菓子には富士山型のバームクーヘンを用意。家に帰ってからも『I LOVE 湯』の名残を感じて、ふふっと思ってもらえるように細部に渡ってこだわり抜きました。

三村友香ブログ プチギフト

仕事もプライベートもデザイン一色

企画から制作、そして当日の運営まで、そのすべてを自身で担当するのは、忙しくはありましたがとても楽しく、素晴らしい時間を過ごせたと感じています。

自身でオリジナルのグッズをデザインしていくのはもちろんですが、温泉や銭湯に詳しくない人でも共感し楽しんでもらうためにはどうすればよいか、その構成やストーリーを考えるのが特に楽しかったですね。

こうした経験をして思うのは、私はつくづくデザインが好きなんだな、ということ。仕事としてデザインに打ち込みつつ、プライベートのデザインで息抜きをしているんです。そして、仕事でのデザイン経験はプライベートのデザインに活かされ、プライベートのデザイン経験は仕事のデザインに活かされる。そんな良い循環ができているように感じますね。

さらに嬉しいことには、この結婚式の取り組みが、デザイン賞の一つ『日本タイポグラフィ年鑑2023』にてグラフィック部門のベストワーク賞をいただくことができました。

全体のストーリーも含めてデザインしている

この受賞は、個々のデザインだけでなく、コンセプトメイキングからデザインに至る、ストーリーそのものの企画力があったからこそ成し得たものだと感じています。

日々デザイナーとして働く中で思うのは、デザインとアートは似て非なるものだということ。自己表現であるアートとは異なり、デザインは人の心を動かしたり、売上を上げたりなど、目に見える成果を追わなければならないと思っています。だからこそ、デザインそのものだけでなく、そこに至るストーリーや、カスタマージャーニーのような見る人の気持ちの変遷までも考慮して制作していかなければなりません。そうした私自身のこだわりが、受賞という形でしっかりと評価されたことはとても嬉しく、また大きな自信へと繋がりました。

弊社には、グラフィックやUI・UX、映像にブランディングなど、デザインにまつわる各分野のプロフェッショナルが多数在籍していますが、そこに至るまでのストーリーを構成する企画力や、理想を現実に作り上げるディレクション力にも抜かりはありません。「こんなデザインが欲しい」というご依頼はもちろん、「何か面白いことがやりたい」といったご依頼も大歓迎ですので、ぜひ一緒に、多くの人の心に残る広告を作っていけたら嬉しいです。

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