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コピーライター
熊谷 愛

投稿者

はじめまして。たきコーポレーションでコピーライターをしている熊谷愛です。これを読んでくださっている皆さまは、コピーライターの仕事についてどんなイメージをお持ちでしょうか?「アイデア勝負の仕事?」「言葉のスペシャリスト?」、意外と具体的なイメージをお持ちの方は少ないかもしれませんね。そこで今回は、現役コピーライターとして働く私が、知っているようで知らないコピーライターの仕事について紹介したいと思います。

熊谷愛(ONE所属)
2018年中途入社。養護教諭やラジオリポーターなどの仕事を経て、コピーライターに。女性ならではの視点で、クライアントやユーザーに寄り添うコピー開発を得意とし、ブランディングからプロモーションを含め様々な案件に携わる。最近は2歳の息子と遊ぶのがもっぱらの趣味。

もっと言葉と向き合いたいとの思いで挑戦を決意

私がたきコーポレーションに入社したのは2018年のことです。それまでは養護教諭をはじめ多種多様な仕事を経験したのですが、中でも契機になったのはラジオリポーターの経験ですね。その番組は生放送だったので、迅速かつ直感的に言葉を選んでいく必要があり、考える時間がもう少しあればもっと良い言葉で伝えられたのではないか、と歯痒く思うことが多々あったんです。

そうして、もっとじっくり言葉と向き合っていける仕事はないかと思って見つけたのが、広告業界でした。はじめは地元秋田の制作会社などで働きましたが、次第に広告制作の中心であろう東京で働きたいと思いが強くなり上京。たきコーポレーションと出会いました。

東京には数多くの広告会社がありますが、中でもたきコーポレーションは、お客さまや社会のためを追求することが自分のためにつながる、という姿勢を持っていたことが魅力に感じましたね。またただ単に綺麗な言葉で飾るだけの仕事ではないという信念にも、強く共感したのを覚えています。

熊谷愛ブログ

週1〜2回の出社以外はほぼリモートワーク。お昼休みに近くの公園を散歩してリフレッシュ。

クライアントの想いを紐解き、伝わる言葉を見つけ出す仕事

コピーライターの仕事を一言で表すと、クライアントの想いをユーザーに伝える、橋渡しのような存在と言えると思います。どのような商品・サービスでも、世に出るまでにはたくさんの苦労を乗り越えなければなりませんし、多くの人の想いが込められて作られていくものです。しかし、そうした想いをそのまま言葉にしたからと言って、必ずしもユーザーの心に届くとは限りません。そこで私たちコピーライターが、届く言葉に変換させていただくのです。

そういう意味では、ライターとコピーライターは、似ているところもありながら全く別の仕事であるとも言えますね。クライアントの想いをユーザーに伝わる言葉にまとめるのがライターであるのに対し、クライアントの目的達成のためにユーザーに伝わる言葉に変換するのがコピーライター。どちらも言葉を生み出すというクリエイティブな仕事ではありますが、そのアプローチの仕方が大きく異なっているんです。

またコピーライターは、常々アイデアや発想力によってコピーを生み出していると思われがちですが、実際はそうではありません。競合他社と比べてどうなのか、市場や時流に合っているか、ユーザーが本当に必要としているものは何なのか、まずは徹底的に調べます。もちろんクライアントの想いやこだわりも十分に伺った上で、です。そして探し出します。ここだと思ったところを掘り進めます。「言葉を作り上げる」というよりは「言葉を見つけ出す」という感覚の方が近いですね。巷にあふれるコピーの数々は、結構理論的に作られているのではないでしょうか。

最近ではChatGPTなどオリジナルテキストを生成できるAIツールが話題ですね。膨大なデータ量から学習されているため、その汎用性や生成スピードには目を見張るものがあります。資料作りやアイデア出しのヒントに利用するには良いかもしれませんが、誰かの心を強く動かすようなクリエイティビティを必要とする作業は苦手のようです。こういったツールもうまく活用しながら、人にしか書けないコピー、私にしか書けないコピーで勝負していきたいですね。

熊谷愛ブログ ChatGPT

ChatGPTにコピーライターとの違いとその優位性について質問してみました。

クライアントの目的達成のために、あらゆる角度から検討する

たきコーポレーション入社後、カタログやWeb制作、新商品のネーミングやプロモーションコピーの開発など、さまざまな案件に携わってきました。最近、特に印象に残っているのが、株式会社一蔵さまが運営する着物教室「いち瑠」の、特設サイトを制作した案件です。

着付け教室「いち瑠」サイト

SDGsへの取り組みを紹介する特設サイトだったのですが、先方はとても熱い想いをお持ちでしたので、それをどうやってユーザーに伝えていくか、どうすればより効果的に想いを届けられるのかを一緒に考えさせていただきました。
この案件でのゴールはいち瑠の考えに興味を持ってもらい、想いに共感してもらい、好きになってもらうこと。そのゴールに向かって必要なことはキャッチコピーを書くことだけではありません。むしろコピーやデザインを導き出すために、前段階の企画意図や戦略の部分がとても重要です。ターゲットやペルソナの整理、カスタマージャーニーの設計、ワイヤーフレームの見直しなど、一つの解に向かってクライアントとチームメンバーとで共通認識を図っていきます。コピーライターといえど、戦略やプランニングに関わることも少なくないのです。

またこうした仕事をしていると、クライアントの想いに触れることで、自分自身の価値観も成長させられる感覚があります。一蔵さまの案件ではきものやSDGsに深く触れたので、きものを着てみたいと思うようになりましたし、自分にできる範囲からSDGsに取り組んでみようとも思いました。

想いを言葉にし、商品やサービスの魅力をユーザーに届けるためには、何よりも自分自身がその商品・サービスをしっかりと理解し、好きになる必要があります。そういう意味では、仕事をすればするほど好きなものが増え人生が豊かになる、お得な職種と言えるかもしれませんね。

弊社だからこそ実現できるコピーとデザインの相乗効果

たきコーポレーションのコピーライターとして働いていて私が思うのは、デザイナーやプランナー、プロデューサーも含めてすべての人たちがフルコミットして協力しあっているからこそ、質の高い制作物を作り上げることができるということ。

コピーライターとライターのアプローチ方向が違うのと同じく、デザイナーにはデザイナーのアプローチ方法があり、その視点になるほどと思わされることも少なくありません。デザインに含まれたメッセージを加味してコピーを考えることもあれば、その逆もまたしかりです。さまざまな立場にいるクリエイティブの人々が、一つの案件に対して一緒に取り組んでいけるからこそ生み出せる価値はとても大きく、それを提供できる環境があるのがたきコーポレーションならではの強みだと思います。

2018年の入社から約5年、色々な案件に携わってきましたが、一つとして同じ案件はなく、毎日新しい刺激をもらえるこの仕事は、まさしく天職だと感じています。これからも、多くの人の想いに触れながら、コピーを通して一人でも多くのクライアントやユーザーに喜んでいただけたらうれしいです。

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自宅リビングテーブルの一角が作業スペース。もっと広いお家に引っ越したいです。