TAKI BLOG
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テーマ:採用・リクルート
更新日:2026.04.13
採用担当者が“見返したくなる”ポートフォリオとは〜デザイン会社は何を見ているのか
経営企画室
採用/育成担当・執行役員
天明久尚

こんにちは。たきコーポレーションで人材採用・育成を担当している天明です。
デザイン会社への就職活動では「ポートフォリオが重要」と学生時代に教わることが多いですよね。実際、それは間違いではありません。多くの学校でも、その流れの中でおおよその作り方を学ぶ機会があると思います。
ただ、さまざまな学生と出会う中で感じるのは、そのポートフォリオが「採用担当者にどう見られているのか」という視点は、意外と共有される機会が少ないということです。
そこで今回は、読み手の視点から、ポートフォリオがどのように見られているのか、そしてどんな点が印象に残るのかについて、お話ししてみたいと思います。

INDEX
採用担当者は1日に何十ものポートフォリオをチェックする
さて、これを読んでいる学生のみなさんは、ポートフォリオがどのように見られているのか「読む側の視点」を意識したことはあるでしょうか。
ポートフォリオは、あなたのスキルや制作経験を伝えるための資料です。そして採用担当者は、その資料を見ながら、応募された方に次の選考へ進んでもらうかどうかを判断しています。
採用の時期になると、採用担当者は1日に何十冊ものポートフォリオを確認します。多くの場合、確認しているのは現役のデザイナーで、日々の業務と並行して採用活動を行っています。そのため、一冊一冊を最初から時間をかけて丁寧に読み込むことは、なかなか難しいのが実情です。
最初の段階では、どうしても流し見に近い形になります。そこで印象に残らなければ、そのポートフォリオは先に進みにくくなってしまいます。
少し厳しく聞こえるかもしれませんが、これが採用の現場で起きているリアルな状況でもあります。だからこそ大切なのが、一度見ただけで終わらず「もう一度、見返してみよう」と思ってもらえるポートフォリオです。
見返したくなるポートフォリオとは何か
ここで最初にお伝えしたいのは、「完成度が高い=印象に残る」ではないということです。もちろん完成度の高い作品は印象に残りますし、そこに時間をかけることはとても大切です。ただ、それだけではなく
・視点が面白い
・コンセプトや課題設定がユニーク
・物事の捉え方に幅がある
といった点があると、ふと目が留まることがあります。
「なぜこのような考え方になったのだろう?」
そう感じさせるポートフォリオには、思考の足跡が残っています。そこが見えると、読み手は自然と、もう一度ポートフォリオを見返してしまうものです。
見ているのは作品の表現力だけではない
ポートフォリオ相談会などで学生の作品を見ると、
・ビジュアル(作品そのもの)の完成度
・アプリケーションスキル
・自分が作りたいもの
にとても真剣に向き合っているポートフォリオと数多く出会います。それはもちろん大切なことです。ただ採用担当者が同時に知りたいと思っているのは、次のようなことです。
・どのような事象を、どのように課題として捉えたのか
・なぜこのデザインになったのか
・誰に向けたものなのか
・結果として、どのような体験をつくろうとしたのか
つまり、作品の見た目だけでなく、デザインの背景にある思考です。
プロセスの見えるポートフォリオを目指す
そのためには、作品の流れの中に制作プロセスを載せるのもひとつの方法です。例えば
・問題提起/課題設定
・リサーチとターゲット
・コンセプト
などです。
応募する職種によって重要な部分は変わりますが、こうしたプロセスが少しでも見えると、ポートフォリオから思考の流れが伝わりやすくなります。作品を制作する際には、途中のスケッチやキャプチャなどを記録として残しておくと、あとからポートフォリオにまとめるときにも役立つと思います。

プロセスを描くことで、表現的な視点のみならず設計者としての思考もアピールできるようになる
応募職種によっても見るポイントは少し違う
規模の大きいデザイン会社では、複数のデザイナー職種を採用しています。たきコーポレーションでも同様に、さまざまな職種の採用を行っています。制作プロセスが見えることは共通して大切ですが、職種によって注目するポイントは少し異なります。
・グラフィックデザイナー
発想/コンセプト/ビジュアルの強度/レイアウト/タイポグラフィ
・Webデザイナー
情報設計/UI/動線設計/ビジュアルの強度
・UI/UXデザイナー
課題発見/リサーチ/分析/ユーザー定義/体験設計/UI
さまざまな観点がありますが、どの職種でも共通しているのは「なぜこのデザインになったのか」が説明できること。この部分が伝わるポートフォリオは、読み手にとって理解しやすいものになります。
とはいえ、例外もあります
実は例外もあります。プロセスの説明がなくても、圧倒的なアイデアや表現力だけで強く印象に残るポートフォリオも存在します。過去には、そうしたグラフィックデザイナーを新卒で採用したこともあります。ただ、この方法は誰でも再現できるものではありません。ですので、あくまで「そういうケースもある」という程度に受け取っていただければと思います。
ポートフォリオとしての完成度は、最後に上げる
ここまで整ってくると、書類選考でも伝わりやすいポートフォリオになってくると思います。そしてもし余力があれば、もう一歩だけ。中身が整ったら、次は読み手を意識した編集です。
プロのデザイナーになったつもりで、
・トーン&マナー
・フォント設計
・フォーマット
・アイコン
・ページ構成
などを整えながら、ポートフォリオ全体をデザインしてみてください。作品そのものが変わらなくても、見せ方を整えるだけで印象は大きく変わります。

作品のトーン&マナーに合わせてポートフォリオ自体のデザインを整えていくのも方法のひとつ
ポートフォリオはあなたの思考そのもの
ポートフォリオは、単に作ったものを並べただけの「作品集」ではありません。それは、
・どんな課題に興味を持ち
・どんな視点で世界を見て
・どんな方法で解決しようとする人なのか
という、あなたの考え方そのものを伝えるものです。採用担当者は、そんな視点でポートフォリオを見ています。
「このポートフォリオを作った人と話してみたい。」
そう感じるポートフォリオと出会えることを、私たちは楽しみにしています。
