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こんにちは。たきコーポレーションブログ編集部です。

たきコーポレーションが2014年より行っている『TAKI SMILE DESIGN LABO』(以下、SDL)という社会貢献プロジェクトの一環として、SDLメンバーの藤井、大倉が8月にケニアのキベラスラムにあるマゴソスクールを訪問しました。

若手社員がケニア訪問! 現地でしか得られない体験と学び。

ケニアの訪問を経て現地のことを知ってもらいたい。デザインの持つ力でできる社会貢献の可能性を多くの方に知ってもらいたい。そんな思いから、2023年11月2日新宿にて「TAKI SMILE DESIGN LABO展『ケニアを笑顔にするちいさなデザインの話。』(以下、SDL展)」が行われました。

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今回のブログでは、「SDL展」当日の様子をご紹介します。

「知る支援」として行われたプレゼンテーション

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マゴソスクール主宰 早川千晶さん

まずは、ケニアのキベラスラムにあるマゴソスクールの主宰、早川千晶さんによる特別講演が行われ、キベラスラムの現状やマゴソスクールについてお話をしていただきました。

マゴソスクールとはキベラスラムにある、孤児・ストリートチルドレン・貧困児童の教育を支える駆け込み寺のような学校。自身も孤児だったという創始者のリリアンさんが始めた当初は規模も小さな学校でしたが、今では500名を超える子どもたちが通っています。

マゴソスクールに通い成長した子どもたちが活躍している事例などをお話ししてくださる早川さんの力強い講演の内容に、ご来場のみなさんだけではなく、運営スタッフも全員引き込まれました。

キベラスラムの現状を語っていただく中で、思わず耳を塞ぎたくなるようなショッキングな話もありましたが、「貧困の中でも子どもたちは希望を持って生きている」など「希望」というワードが何度も繰り返されていたことがとても印象的でした。

早川さんのあと、SDLメンバーの大倉、藤井が登壇しました。

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現地に住む子どもが撮影した、寝ているお子さんを片手で抱きながらキッチンに一番近い場所でご飯を食べるお母さん

SDLメンバーの大倉は、スラム滞在時の現地リポートの他、現地に住む13〜15歳の6人にレンズ付きフィルムカメラを渡して撮影してもらった日常の写真についての紹介をしました。

日本で平和に暮らしている私たちにとってカルチャーショックが大きいキベラスラムという場所。知識として知っていても、足を運び現実を目の当たりにし、その土地の人たちと関わる経験をしなければ本当に理解しているとは言えないと感じました。
会社のプロジェクトとして、入社2年目の若手ながら現地へ訪問し、子どもたちと触れあう経験をしたということは、誰にでもできることではない素晴らしいことです。今後の仕事においても刺激になることでしょう。

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SDLメンバー大倉

最後はSDLメンバーの藤井による、現地での「図工2.0」の授業のプレゼンテーション。

※図工2.0については、過去の記事を参照ください
図工2.0の過去のブログ

かつて2016年2月にもマゴソスクールを訪れた藤井。その際、布に自分の好きな絵を描きスカーフを作るという授業を行ったのですが、彼はこの時のことを「スカーフを制作しただけでは子どもたちの腹はふくれないじゃないか」と思い、ずっと後悔していたと冒頭で語りました。今回の訪問はその時のリベンジも兼ねていたと言います。

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2016年2月に藤井がマゴソスクールに訪問した際、スカーフの制作をした子どもたち
第二回クレヨンプロジェクト mudef × SMILE DESIGN LABO

今回は、日本で研究されているデザイン思考を取り入れた学習方法をスラムの小学校で教えることで、スラムの日々の暮らしを改善することに貢献できるのではないか、という考えのもと授業を行いました。
結果、スラムの子どもたちでも「課題解決思考」を学び、経験を積んで理解を深めていけば、スラムの日々の暮らしの改善に繋がる可能性があるという結論を見出すことができたとのこと。子どもたちがより良い生活をするための小さな糸口の一つ程度の些細なことかもしれないですが、「前回のリベンジ」を果たしたプレゼンテーションとなりました。

プレゼンテーションの最後には早川さん、大倉、藤井によるトークセッションコーナーを設け、参加された方の質問に対して早川さんからは現地の人たちや支援する側からの視点、大倉、藤井からはデザインに関わる仕事からの視点で答えていきました。

写真展示、チャリティー企画

プレゼンテーションの他に「知る支援」の内容として写真展示、そしてチャリティー企画を行いました。

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写真展示では二つのコーナーを作りました。

一つは「日本の小学生が撮ったアフリカのスラムで生きる子どもたち展」と題し、今回のケニア訪問に同行した日本の小学5年生KOTAROくんから見たスラムの様子を一眼レフカメラで撮影した写真。
もう一つは「アフリカのスラムに住む人たちから見たスラムの日常展」と題し、「心が動くもの・人」をテーマにキベラスラムに住む13〜15歳の6人にレンズ付きフィルムカメラを渡して撮影してもらった写真。

どちらも足を止めてじっくりと時間をかけて一つ一つの写真を見ている方が多くいらっしゃいました。

みなさんにご参加いただける支援としてチャリティーコーナーも設置。手作りアフリカ雑貨、ポストカードの販売、目的別に選べる募金を行いました。

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手作りアフリカ雑貨は、マゴソスクールの一角に設けられた洋裁工房で制作された雑貨。
カンガ(アフリカの布)を使用した鮮やかな色とりどりの雑貨が並び、こちらの売上はマゴソスクールの寄付に繋がります。

ポストカードは日本の小学5年生KOTAROくんが撮影した写真を使用したもの。
こちらは1枚あたりマゴソスクールでの6食分の給食費として役立てられます。

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目的別に選べる募金では
・子どもたちの給食へ
・卒業生の進学支援へ
・マゴソファミリーの生活費へ
・マゴソスクールで働く大人へ
・保護施設「ジュンバ・ラ・ワトト」子どもの家へ
5つの目的から参加者の方が募金したいと思ったところに募金していただきました。

募金をしていただいた方には「SDL展」のキービジュアルに「Asante!」(スワヒリ語でありがとう)と書かれたステッカーをお渡ししました。

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ケニアのスラムの学校の子どもたち、という決して身近ではないテーマでのイベントにも関わらず、興味を持って「知る支援」のために多くの方々が足を運んでくださったことが、たきコーポレーションの社会貢献プロジェクトとして大きな意味を持つ証になったと感じています。

コロナ禍が落ち着き活動の制限が緩和しつつある中で、今後もTAKI SMILE DESIGN LABOの活動は続きます。
引き続き国内外問わず、デザインの力で社会に貢献できることは何かを探し、積極的に活動しながら、たきコーポレーションの中でできること、行ってきたことを、さまざまな場を通じて発表していきたいと思っています。