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ブログ編集部

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たきコーポレーションでは、2014年より『TAKI SMILE DESIGN LABO』という社会貢献プロジェクトを行っています。

先日、その活動の一環として、横浜市立義務教育学校 緑園学園の6年生を対象に、デザイン思考を育てる「図工2.0」の授業を行ってきました。今回はその様子を、当日の写真を交えながらご紹介いたします。

※図工2.0については、下記の記事を参照ください
デザイン思考を育てる、新時代の授業「図工2.0」ー デザイナー藤井の挑戦 ー

緑園学園 AI 図工2.0

メタバースの学校をデザインしよう!(初日)

当日は、弊社のアートディレクター藤井が先生、スタッフ(デザイナーやコピーライター)がTA(ティーチングアシスタント)となり、約130名の生徒たちと2時間×2日の授業を実施。AIの活用という大人でも難しい課題に対し、生徒たちが前向きに取り組んでくれるのかという不安もありましたが、大人以上の積極性と吸収力、そして柔軟性を持った生徒たちに、私たちの方が驚かされるぐらいでした。

1日目の授業内容は、『メタバースの学校をデザインしよう!』。グループワークを行いながら、メタバースでしか実現できないような学校をデザインしてみる授業です。

授業冒頭では、メタバースや画像生成AIについて簡単に説明。アナログ世代だとメタバースと聞いただけで拒絶反応が出てきてしまいそうなものですが、生徒たちはその内容をすんなりと理解。それどころか、授業への興味をより強く持ってもらえたように感じました。

緑園学園 AI 図工2.0 デザイン思考

その後のグループワークでは、図の5つのプロセスに基づいて進行。画像生成AI「Midjourney」に理想の学校を具現化してもらうため、体育館、音楽室、職員室など、学校の中の場所を1つ選んでもらい、それぞれの場所の課題を洗い出すブレストを行いました。

緑園学園 AI 図工2.0 ブレスト

ブレストを始める前に藤井先生から出された4つの原則

 

緑園学園 AI 図工2.0

それいいね!と人の意見を肯定しながら、自分の意見をどんどん出して、付箋に書き出し、どんどんワークスペースに貼っていきます。
出てきたアイデアをグループで話し合い、ワークシートをまとめていきます。

緑園学園 AI 図工2.0

このグループが選んだのは職員室。「ツリーハウスのような職員室」という案で、自然に優しく、カフェや雑貨屋さんがあり、先生たちも寛げる……先生たちを気遣う職員室を目指しました。

各グループで出されたアイデアはどれも独創的で興味深く、中には先生たちの想像を軽く超えてくるような角度のものも。これらを持ち帰り、プロンプトへと落とし込んだ上で「Midjourney」で具現化を行い、1日目の授業は終了です。

メタバースの学校をプレゼンしよう!(2回目)

1日目のワークシートをもとに生成された画像を生徒たちに戻しつつ、生徒たち自身でそのアイデアや魅力をプレゼンしてもらいます。

緑園学園 AI 図工2.0

AIが生成した数枚の中からプレゼン用の1枚を選びます。好みが分かれるところなのか、少々揉めるグループも。

緑園学園 AI 図工2.0

プレゼン用の画像を決めたら、そこにタイトルや説明文を加えながら、プレゼン用ポスターを制作。担当者を決めてプレゼンを行います。

プレゼン担当以外の生徒は、それぞれに3票を持って、気に入った作品に投票。最後に上位3チームと、特別賞が発表されました。

新しい技術を活かすために、ポジティブに皆で意見を出しながら物を作るという体験授業は、生徒たちにとって楽しい時間だったようで、アンケート結果からも、生徒たちは想像以上に真剣に取り組んでくれていた様子が伺えます。

アンケート内容を少し紹介します。

質問:授業は楽しかったですか?
・先生の教え方がとても面白く、普段の授業で意見を考えるのは嫌いだけどこの授業で意見を考えるのはとても楽しかったです
・普段の図工とはまた違う、ワクワクしながら学習できた。

質問:今後AIを活用するために、人はどんな力を身につける必要があると思いますか?
・自分のアイデアを言葉にしていくこと。
・具体的に考えを示す力。
・想像力とか、協力、努力が必要だと思いました。

質問:今回の授業で気づいたこと、得られた学びは何ですか?
・みんなと協力して、表現するからこそ、色々なアイディアが生まれて楽しめた。
・友達の意見をダメ出ししたりしないこと。どんな意見でも、聞くこと。いろいろな視点を取り入れることで様々な価値観が生まれること。
・みんなで話し合う授業はこんなに楽しくて自分が思っていなかった意見も持っていてそのグループワークの良さを知った。
・AIにはあまりいいイメージがなかったけれど今回の授業を通していい面もたくさんあることがわかった。そしてみんなで意見をぶつけ合って最終結論に辿り着くことはとても大切だとわかった。

他にもたくさんの感想を書いてくれたのですが、多かったのは「みんなで〇〇」というフレーズ。
みんなで話し合う。
みんなで協力する。
みんなの意見を聞く。
みんなの考えをまとめる。

仲間と何かを作ることの楽しさ、話し合うことの大切さ。人の意見に対してダメ出しをするのではなく良いところをたくさん見つけること、また悪いところもプラスな意見を出すことによって良い意見になることなど、しっかりと授業を通して感じてくれていました。

カリキュラム上は図工(デザイン)の授業ではありましたが、グループワークやディスカッションをすることで心が動く、道徳的な時間になっていたようにも思います。

今回は、生徒たちの指示を元に画像生成するツールとしてAIを使いましたが、私たちのデザイン現場の実務でも、AIが使われ始めています。デザイン現場とAIの関係性については、改めてこのブログ上で記事にしていこうと思います。

緑園学園 AI 図工2.0

今回TAとして参加した社内メンバー

■この活動はこちらからもご確認いただけます

AI×デザイン思考ワークショップ