TAKI Magazineー 制作における『知』を紐解く ー
ポスター広告の使命。多彩な魅力を効果的に活用するために。
日々、街のいたる所でさまざまな商品やサービスのポスターを見かけます。それは今や、風景の一部になっています。本稿では、ポスターが持つ魅力や「伝える力」、そしてポスターをより効果的に活用するための方法について触れていきます。
目次
ポスター広告とは
ポスターは使用目的によって、以下の5つの分類があります。
・商業ポスター
商品やサービスなどの広告に用いられます。
・公共ポスター
マナーやモラルの啓発に用いられます。
・政治ポスター
選挙区エリアの住宅や飲食店に貼り出され、政党や選挙候補者の紹介に用いられます。
・プロパガンダのためのポスター
特定の思想や理念を広めるために用いられます。
・観光ポスター
観光の誘致に用いられます。
この中でも「商業ポスター」は、商品やサービス、イベントなどを宣伝し認知度向上や販売促進を行うことが目的で、最終的には収益に繋げることを目指しています。つまり、商業ポスターは広告が目的です。また、広告を行っているポスターは、一般的に「ポスター広告」または「広告ポスター」とも言われます。
広告の視点からポスターは、多くの広告の中でOOH(Out-of-Home:屋外広告)広告の中のひとつに位置付けられます。OOH広告とは、自宅以外の場所で展開する屋外広告メディアの総称で、電車の中吊り広告や駅構内広告などの交通広告、各種看板・大型ビジョン・デジタルサイネージなどの屋外広告、チラシ、ラッピングカーなどがあります。その中で、ポスター広告は重要な一翼を担っており、その特長と魅力は多岐にわたります。
ポスター広告の特長は、大きく分けて2つあります。1つは、インパクトを与えやすいことです。ポスターは、大きなサイズで掲示されることが多く、視認性が高いため、強いインパクトを与えることができます。
もう1つは、繰り返し見られることです。ポスターは、街中や駅構内など、人の目につきやすい場所に掲示されるため、何度も繰り返し見られる機会が多いため、記憶に残りやすいため高い広告効果が期待できます。続いて、ポスターの特長を少し具体的に触れます。
クリエイティビティなポスター広告で、結果につなげる
ポスター広告の手段の第一は情報を伝えることです。そのためには注目されること、つまりターゲットに見てもらわないとコミュニケーションが始まりません。通りすがりに目にするポスター広告の中には、広告主の「売り」への熱意が先行し、限られた掲載しペースに多くの情報を詰め込んだためデザイン的にも見づらく、何を言いたいのか理解しづらいものも見かけます。
そのようなポスター広告は、伝えたいメッセージや情報が理解されず、逆効果になりかねません。成果を得るためには、プラスの印象や刺激になる印象を残すことが必要です。また、ポスター広告は「ターゲティングがしやすい」「繰り返し目にすることで覚えられやすい」「他のメディアより比較的コストが安い」などのメリットがあります。
見てもらえる確かな掲出場所を選定し、商品やサービスが持っている本質的な価値を、上質なクリエイティビティのあるコピーやデザイン力で魅力的に表現することで、高い効果を生む可能性がある紙媒体です。ポスター広告は繁華街や駅などで通りすがりに見かけるものが多いですが、実際にそのポスター広告の前を通り過ぎる時間は僅か1秒程度です。
そのため、情報を詰め込みすぎるよりも、シンプルで感性に訴える表現によって、一瞬で印象を残すことが大切です。見る人の心に引っかかるような、洗練されたビジュアルや短いメッセージが効果を発揮します。主張しすぎず、けれども確かに心に残る。そんな絶妙な存在感を発揮できるのが、ポスター広告の魅力の一つです。
掲出期間が長いと目に触れる回数が増え、自然と親近感が増す
ポスター広告の掲出場所は、駅やバスなどの人が移動時に利用する交通機関、飲食店・美容室・病院の待合室など一定の滞在時間があるなど、人が行動する動線上です。そしてポスター広告をターゲットが繰り返し目にすることで、無意識に刷り込まれます。
また、ポスター広告は契約内容にもよりますが、おおむね数週間〜数カ月、中には1年以上掲出されます。それだけ目にする回数が増えるため、訴求回数も増えます。通勤時の駅構内の観光地のポスター広告に毎日触れることで、いつの間にか愛着を覚え、その観光地に行きたくなり、実際に観光地に足を運んだ、という方もいるでしょう。
ポスター広告で、短時間で印象を残すには
ポスター広告は、長期間の掲出によって繰り返し視認されることで効果を発揮します。一方で、短期間の掲出でも、明確なコンセプトとターゲットに刺さるキャッチコピーやデザインがあれば十分な訴求効果が期待できます。さらに、駅構内での「連貼り」のように、同一エリアに多数掲出することで、強いインパクトと印象の定着を図ることができます。
また、QRコードでWebサイトへ誘導するなど、他のメディアとの組み合わせによるクロスメディア展開も効果的です。ただし、最大の効果を得るには、「誰に届けたいか」を明確にしたうえで、ターゲットの行動導線に合った掲出場所を選定することが不可欠です。
ポスター広告は、多くの人の目に触れるため、意外な層から反応が得られ、新たなターゲットの発見につながる可能性もあります。その一方で、「誰にでも刺さるデザイン」を目指すあまり、誰の心にも響かない無難な広告になってしまう可能性もあります。だからこそ、特定のターゲットに的を絞った明確な訴求こそが、効果的な広告ポスター制作の鍵となります。
賢く選ぶ紙媒体広告。媒体別コスト感と特徴
同じ紙媒体でも、新聞や雑誌に広告を掲載する場合は、媒体や掲載枠によって費用が大きく異なります。中には「費用が高く感じられる」といった声もあり、コスト面で敷居が高いと感じるケースも少なくありません。また交通広告にでも、駅のサインボードやデジタルサイネージ、乗降客の多い路線の中吊り広告などは、人気も高く、それに伴って広告料金も高額になりやすい傾向があります。
一方で、交通広告の中でも「駅貼りポスター」は比較的リーズナブルな価格帯で展開できるケースが多く、コストを抑えながら視認性の高い広告手段として注目されています。また、設置場所によっては無償で掲出できる場合もあり、その場合は制作費と印刷費のみで済むのも魅力の一つです。
広告制作においては、新聞・雑誌・ポスターそれぞれでサイズや媒体特性に応じた情報量の工夫が必要ですが、いずれも「メッセージをターゲットに届け、興味や行動につなげる」という本質は変わりません。
とはいえ、魅力的なビジュアル表現や訴求力の高いコピーは簡単に生まれるものではありません。より効果的な成果を求める場合は、コピーライターやデザイナーなどプロフェッショナルの手を借りて制作することで、ターゲットに刺さる完成度の高いポスターを実現できます。
ポスター広告は優れたメディア
ポスター広告は、まずはターゲットに見てもらえないとコミュニケーションにもならず、伝えたいことも伝わりません。ターゲットに強い印象を残すには、注目されることが前提です。そのため、デザイナーもコピーライターも全精力を注ぐように制作しています。
ポスター広告の一番の魅力は、見る人に興味関心を抱かせるメインビジュアル(キービジュアル)です。そこには、上質なコピーとデザインが融合されています。コピーがデザインになっている場合もあります。ポスター広告のメインビジュアルは一番伝えたいメッセージを視覚的に伝えるためにあります。
メインビジュアルをつくる前には、誰に伝えたいのか、何を伝えたいのかを明確にし、テーマを決め、コンセプトを作成し、そのコンセプトを最適なキャッチコピーに落とし込みます。その後、メッセージのわかりやさ・インパクト・世界観のイメージなどを考察しメインビジュアルを制作します。メインビジュアルを形成する素材は画像・フォント選定・色彩の配色・トーン設定などの組み合わせや、メインビジュアル以外の情報量全体のバランスなどに十分に配慮し、細心の注意を払い制作します。
ポスター広告というメディアは、マスメディア広告やインターネット広告より、表現メディアとして衰退し、劣後のような評価を受けたこともありますが、昨今あらためて良さが見直されてきています。ポスター広告は、メディアとして掲出するサイズ・印刷部数・掲出場所・掲出期間を任意で決められる自由度も特徴です。また、プロモーションの際に他の媒体との相乗効果で、さらにイメージを浸透させる働きもあります。
それは他の媒体と組み合わせたプロモーションにおいて、ポスター広告のメインビジュアルの存在が中核をなし、そのメインビジュアルを他の媒体で展開することでプロモーションの統一性を生み、より記憶に残りやすいです。
まとめ
ポスターは広告の中では、OOH広告の中のひとつに位置付けされており、ターゲティングを的確に設定することが可能なことと、繰り返し目にすることで覚えられやすく、他のメディアに対して比較的コスト安な面などのメリットがあります。
また、確かな掲出場所を選定し、クリエイティビティのあるコピーやデザインを施すことで、高い効果を得やすい紙媒体です。ポスター広告の魅力は、見る人に興味関心を抱かせるメインビジュアルです。そこには、「キャッチコピーとデザインがうまく融合されている世界」が醍醐味です。その世界観をターゲットに響かせることが、ポスター広告の使命です。
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