制作実績

クリエイティブが持つ力を表現。「Peaceful Weapon」

アドミュージアム東京 様

クリエイティブが持つ力を表現。「Peaceful Weapon」

業種
教育・学習支援
ソリューション
グラフィックデザイン
エージェンシー
株式会社電通 様
スタッフ
デザイナー:唐鎌大也・佐々木真秀・関川弓穂・徐家桐
プロデューサー:佐藤菜央
制作概要
お客さまのニーズと課題
汐留にある「広告」をテーマにした展示施設・アドミュージアム東京。
同館で開催された「世界のクリエイティブがやってきた」展では、ニューヨーク、ロンドン、カンヌという世界を代表する3つのクリエイティブアワードの2024年受賞作品が紹介されました。その一環として行われた「The Ad Museum Tokyo / THE One Show 2024展」にて、キービジュアルおよび会場内グラフィックのデザインを担当しました。

今回のコンセプトである「Peaceful Weapon(平和な武器)」は抽象性が高く、「平和」と「武器」という相反する概念をどのようにポスターの中で成立させるか、また平和の象徴である「わたげ」を使いながらも、その柔らかさだけでなく、クリエイティブの持つ「突破力・拡散力・社会を動かす力」をどう表現するかがデザイン上の課題でした。
私たちの解決策と
制作へのこだわり
初期段階からクリエイティブディレクターやコピーライター等によるインナーミーティングに参加し、お互い意見交換し合い、コンセプトに対する解像度を高めていくことを心掛けました。たくさんの資料を収集し、表現の解像度を上げ、最新のデザインソフトの新機能を学んで新しい表現をトライし、無数の検証や試行錯誤を行いました。

「Peaceful Weapon」というコンセプト自体は、複数回の議論や方向性のブラッシュアップを経て少しずつ進化していきました。また、一枚絵ではなく4枚のシリーズポスターであり、全体として一つのストーリーをどう構築するか、会場内にどう応用するか、どのような余韻を持ち帰るかを想定する必要がありました。タイトなスケジュールの中印刷でどう仕上げるかも課題でした。

変化していくコンセプトに対して、ニュアンスを正確に汲み取り、その都度新しい視覚表現へと落とし込み柔軟に対応しました。ポスターや会場デザインを通して、展示の世界観を段階的に体験させることを意識して、来場者からの視点を想像しながらデザインを制作しました。

印刷については、限られた時間や校正回数で、できるだけ多い色・線の太さなどの組み合わせをトライし、最終的にシルクスクリーンでデザインを繊細さと力強さを感じられるように仕上げました。

制作にあたっては、わたげに人工的構造を内包させることで、柔らかさと緊張感、有機と無機が融合した表現を追求しました。

わたげを幾何学的に並べることで、アイデアや思いによって綿密に形作られた「コンセプト」と、そこから広がる「相互作用」を視覚化しています。4枚のポスターには、拡散と集合、引きと寄り、単体と相互作用といった視覚的リズムを作ることでストーリー性を構築し、種子=アイデアの象徴を際立たせるため、オレンジの特色インクを使用する等工夫を重ねました。
結果(成果や評価)
抽象的なコンセプトをゼロから視覚言語へ落とし込むプロセスを担当できたことは非常に刺激的であり、迷いながらも試行錯誤を重ねる中で、デザインの力で突破口を見つけ出せた瞬間には大きな達成感がありました。最終的に、作品はクライアントから高く評価され、コンセプトの体現度とビジュアルの完成度の双方において期待以上の成果を残すことができました。

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