Works

食べるアート展 L’art de Rosanjin

Briefing

フランス開催の魯山人のイベントが好評だったため、キュレーションの方を介して食をテーマとした新しいデジタルイベントを日本で行う

Our Design

「日常の中の美」をテーマとしながら、プロジェクションマッピングを中心にデジタルアートを展開。他にも久兵衛さんなど、著名な店舗さんにも協力を頂きイベント会場を展開しました。

Result

20日間のイベントの中、多くの方々から多大な反響があり、テレビなどマスコミにも多く取り上げていただくことができました。

  • Core Creative

    今回の業務についてオリエンという明確なものはありませんでした。
    ただ、以前から別のクライアントでお世話になっている協力会社のキリンジさんと「食をテーマにした施策の機会があれば是非参加したいです。」ということを、実施の数年前から日常的にお話していました。その話が発端となり、キリンジさんより、お声がけいただき実施することとなりました。正直、このイベントが実施されることについて最初は半信半疑でした。

    実施が決まり、自分がやりたかった食とdigitalの仕事に関われる喜びを噛み締めながら、まず魯山人の本をライターの稲田としっかり読んで、魯山人の食に対する世界観を把握することからはじめ、そして彼が大切にしていた「日常の中の美」に着目し、それをテーマに様々な展示やイベントを企画しました。結果として、多くの制約の中で「実施できることの大切さ」とお金を払って観に来て頂いたお客様を目の当たりにできたことが成果だと思います。

     

    プランニングを担当した、 ストラテジストプレーヤー竹嶋 すすむ。

    Creative Director:竹嶋晋

  • Art Direction

    メインビジュアルでは、器に見立てた満月に和食の象徴であるお造りを置く、という表現を考えました。
    プランナーとコピーライターが半年以上にわたり、魯山人について理解を深めてきました。
    その情報を頻繁に聞いて感じたことですが、彼は非常にロマンチストであったと思います。
    私も彼のつくった器や書を美術館で見てきましたが、自然や生き物の美しさを非常に敏感に捉えていたことからもそれを感じました。
    きっと夜空に浮かぶ満月を見て、この美しい月を器に見立てて和食を盛りつけたら、どんなに美味しくなるだろうか。
    どんなに素敵なおもてなしができるだろうか。と想像したと思うのです。
    そういった魯山人の思想や感覚を表現することが、今回の「L’art de Rosanjin」と強く結びつきました。

    またチケットから会場のサインパネルまで、合わせると50ツール以上のアイテムを制作しました。
    会場のライトの明るさや設置高さを施工会議や図面から紐解き、一つ一つこだわったレイアウトを心がけました。
    それぞれのコンテンツを邪魔せず、一体感を演出できたと思います。

    Art Director:大類 和久

  • Digital Installation

    食というテーマをデジタル表現で扱うのはかなり難しいと思うのですが、プランナーの企画の中に五感というワードが入っていたのがポイントとなり、音や視覚による食の表現を突き詰めることで「感じる」インスタレーションになるのではないかと思い、取り組みました。
    当初は、日本橋の古き良き食文化を表現するというプランもあったため、メイン展示までに行き着くインスタレーションとして「日本橋回廊」というエレベーター中空にタイムスリップを感じるようなプロジェクションマッピングの企画もありましたが、設置場所の問題などもありボツになるなど、展示スペースや安全性を考慮しなくてはいけない課題が多くありました。
    それらの課題も多くの方々の協力もあり解決し、最終的には素晴らしい展示が完成しました。

    魯山人の器をスキャンし、白塗りの立体の器としてアウトプット。
    その器の展示に人が近寄ると、器に模様や福田屋さんのお料理が映像で映し出されるというインスタレーションです。
    目の前に素晴らしい器と料理が現れる様を通して、料理が眼前に運ばれたかのような感じを再現しました。
    もう一つは、音にこだわり抜いた作品として、天麩羅を揚げる音が眼前に広がるようなコンテンツを用意しました。
    これは、完成してから自分たちでも思った以上のシズル感を得られて、とても興味深いインスタレーションになりました。

    Designer:川郁子

  • Copywriting

    『食べるアート展』では、全体のコンセプトの企画とポスターおよび会場に掲出するパネルなどのクリエイティブを担当しました。
    北大路魯山人の持論は本質的で明確ではあるものの、事前知識を持たない人にとっては唐突でとっつきにくい内容でもあります。そのため、クライアントからは常にわかりやすさを求められていました。ただ、わかりやすく伝えられても、北大路魯山人の奥深い世界の上っ面だけが単純に伝わってしまうと、企画倒れになってしまいます。奥深い本質的なことを、わかりやすく、でもその面白さもしっかりと伝わるように表現する。コンセプトの企画やクリエイティブを考える上で、ここが一番の難題でした。

    コンテンツタイトルやパネルのコピーには、北大路魯山人の言葉を多数引用しました。
    彼の思想や世界観を私がこねくりまわして再構築するよりも、彼が考えていたことをそのまま出すことが、展示内容を伝える一番の近道だと考えたからです。北大路魯山人が書いた本や彼について書かれた本の中から、各コンテンツで表現していることについて本質的に語った文章を抜き出し、コンテンツタイトルなどに使いました。

    ポスターにおいては、北大路魯山人が最も重視していた「料理の見た目の美しさ」という考え方を用いて、彼を知らない方に興味を持ってもらうきっかけをつくろうと考えました。美しいお月様にお刺身がのっている、幻想的なビジュアルで言わんとしていることが抽象的に描かれていたので、コピーはシンプルな方がいい。けれど、本質的で興味深いものであるべき。そう考えて生まれたのが、「美しく味わうから、美味しくなる」というコピーです。「美味しい」は、「美しく味わう」と書きます。言われてみればそうですが、日頃から強く意識してこの字を書いている人はそう多くないのではないでしょうか。誰でも書けて、日常的に目にする漢字に込められた本当の意味。これをシンプルに伝えれば、北大路魯山人の奥深い本質的な思想や世界観をわかりやすく伝えられるはずだと考えました。

     

    Copywriter:稲田桃子

Client’s Voice

クライアント、有限会社キリンジのロゴ
一般的な魯山人展は器や書画を軸に構成しますが、今回「鑑賞者の裾野を広げたい」との想いから、映像とデジタルを軸に実食まで出来る展覧会というアイディアが生まれ、デザインとデジタルに造詣の深いたき工房さんに参画を依頼しました。
細やかで質の高い成果を提供下さったことで、満足の行く展覧会が開催されました。 

有限会社キリンジ
プロデューサー
鈴木智彦
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