みらいデザインミーティング#001 花火師3






今はとにかく、「外に出んといかん」
って思っています。

加藤:いきなり長岡と同じようになるのは難しいですが、僕はまず演出やプロデュース業にもっと力をいれようと思っています。花火大会の運営を通じて、お客様自身も気づいていないニーズを引き出したり、問題を解決したりできるようになることが大事なのかなと。

藤井:デザイナーも同じです。自分の作品を発信するためにも、できることをもっと広げないといけない時に来ていると思うんです。

加藤:それは何かきっかけがあったんですか。

藤井:衝撃的だったのは、あるTシャツのメジャーブランドなんです。デザイナーってもともとは紙面上の構成をつくるのが本業で、Tシャツのデザインは誰もがやりたがることだったんです。でもこのブランドが自分の好きなTシャツをつくれるアプリを開発した。で、僕自身、これやってみた時に楽しかったんですよ。それに気づいた時、デザイナーとしてはやられちゃった気がして。僕たちが本業としてつくってるものより、自分で好きに選んでつくる方が、面白いし価値があるじゃんって。このままでは、僕たちの仕事はどんどん必要なくなっちゃうなと。もっといいものをつくる努力をしなきゃいけないし、同時に、それをちゃんと伝えて、使ってもらえるしくみをつくれないと。

加藤:AIの進化とかもびっくりしますよね。10年後、花火の製造はたぶんまだあると思うんですけど、ITでできることも多くなると思うんです。でも花火は人々の記憶や思い出と結びついて愛されてきたから、ただ合理的、商業的になっていけばいいかっていうと、そうとも言えなくて。ある部分を商業ベースで考えながら、一方でみんなが持ってきた花火のイメージや伝統を大事にしていくっていう、2方向のアプローチが必要なのかなと思います。

藤井:デザインも本来、人生経験を重ねるほど良い仕事ができる職業だと僕は思っていて。若いセンスや体力もたしかに大切ですけど、一方で人生を積み上げてきたからこそ、人々に提供できる発想やモノもある。ただそれを活かすためには、常に時代の流れ、流行っていることを柔軟に受け止められる力が必要なんですよね。

加藤:そのためにも僕はさまざまな人と接して新しい感覚と触れることが大事だと思っていて。実は一昨年、名古屋の工業大学の大学院で学んでたんです。院生たちが30人40人、自分たちおじさんが15人くらいいて、1年間いっしょに勉強するんです。少子高齢化の進んでいる島が、どうしたら持続発展できるかを考えたりしましたが、いまの若い子はぜんぜん違うなと。発想に垣根がない。自分たちおじさんは、もうこりかたまっていて・・・(笑)。

藤井:わかります。僕もちょっと前くらいに、大学にまた入って勉強しようかなと思ったことがありました。美大で学んだことなんて、もう時間も経ってるし、役にたたなくなってる。過去の仕事の経験値で仕事をしているだけでは失礼な話で、やっぱりこれから必要なものを勉強しなおして、新しい価値を提供していかないと。

加藤:とにかく今は視野を広げるために「外に出んといかん」って思っています。