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TAKI SMILE DESIGN LABO メンバー

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2014年よりたきコーポレーションがおこなう社会貢献プロジェクト「TAKI SMILE DESIGN LABO」(以下SDL)が2024年で10年の節目を迎えました。コロナ禍によって数年間、思うように活動ができない期間もありましたが、収束後に活動が再開できたのは、日頃からご支援いただいている外部団体・個人の皆様や、SNS・ブログ等を読んでご支援くださる皆様のおかげです。

今回はSDLが10年間、国内外で活動してきたことについてのご紹介と、今後の展望についてお話しさせていただきます。

SDLは、前社長が発起人

前社長が、社会貢献団体であるmudef様とお付き合いがあったことが、SDL設立のきっかけでした。

mudef様は、アーティストや俳優といった著名人が、社会貢献活動を行う際の窓口となっている団体です。アンバサダーとして歌手のMISIAさんが設立当初から参画されていて、アフリカやウクライナへの支援、動物保護など、多くの活動を行っています。
mudef様公式サイト

たきコーポレーションはデザイナーを多く抱える企業であり、クライアントから依頼されたデザインの制作のみならず、「アート作品」に通じている者ももちろん所属しています。そのためmudef様の活動をサポートできる環境が揃っているとも言えるでしょう。そうしたところから、SDLの活動は始まっていきました。

SDLが発足し、その第1回目の企画発表ポスターには「人の優しさや思いやりを、カタチにして伝えていく。」と書かれていました。10年経った今でも、この信念は変わらずに活動を継続しています。

SDLメンバー募集時のポスター

SDL活動開始の際の紹介ポスター

「デザインで笑顔をつくる」デザイン会社だからこその強みを活かす

一昔前の「デザイン」は、見た目を整える「スタイリングのデザイン」が主流でした。しかし現在では、有形のものだけではなく「無形のもの」のデザインも非常に重要になっています。

これまでデザイン会社は「見た目のデザイン」だけをする会社であると思われていて、デザイナー自身もそういった仕事を主にしてきました。しかし時代の流れとともに無形のデザイン、例えば仕組みをつくる、何かを教育するといったことも、デザイナーができるようになってきました。それらを社会に還元することで、世の中のためになることをしたいと考えています。

社員の意識も昔と変わってきていて、企業のためのデザインをする一方で、自分のデザインで社会により貢献していきたいと思う社員も増えています。企業の存在価値として、「利益を上げる」だけではなく、より良い社会をつくっていくために様々な企業が自分たちにできることをしています。私たちはデザイン会社なので、デザインという技術を使って社会のために活動をする必要があると考えています。

国内外を問わず活動。デザイン制作会社だからこそできる、支援のカタチ

初めての活動地は、なんとアフリカ。ものづくりを通して夢を届ける「クレヨンプロジェクト」を実施しました。マラウイ共和国や、身寄りのない子供たちが集まる「マゴソ・スクール」も訪問。現地で深刻な問題となっている、蚊を媒介した感染症「マラリア」の予防のため、2,000張の蚊帳を配布。他にも子供たちを集めて、3つのワークショップを開催しました。
ワークショップの様子はこちら

アフリカへの支援。現地に行けなくてもできること

現地では多くの子供たちが貧困に喘いでいます。その様子を日本中へ伝えるため、国内での活動も行いました。

マラウイ共和国で出会ったある少女は、まだ子供であるにもかかわらず学校にも行かせてもらえず、毎日畑の手伝いや他のきょうだいの世話をして1日を過ごしていました。そうした現状を日本の子供たちでも理解しやすいように、絵本を制作。各地の幼稚園で朗読会を行ったほか、全国の図書館に寄贈をしました。

他にも、購入することで売上金の一部がアフリカに寄付されるチャリティスカーフを制作・販売したり、アフリカの現状を伝える講演会を実施するなど、アフリカに行けない期間があっても、日本国内でできる支援を継続して行ってきました。

「コンソルむらのソニアちゃん」の1ページ

活動はネパールにも拡大。化粧品の支援は現地の女性から大好評

アジア最貧国と言われるネパール。標高3,200メートルを超える山岳地帯にある「ラムチェ村」の小学校には、美術や図工といった授業が存在しません。学校に通う子供たちが少しでも毎日を楽しく過ごせる支援をしたいと、アフリカで行った授業と同様にワークショップを開催しています。学校の壁に手形で木を描いたり、エコバックに好きな色で色を塗ったり、学校の各教室に掲示する「教室サイン」を制作したこともありました。

他には、物資の支援も行いました。社内で、不要な学用品や化粧品の寄付を呼びかけ、集まった物資を寄付しました。特に化粧品は、村に住む女性からも大変好評でした。
ネパールでの活動の様子はこちら

SDL校長先生とネパール支援メンバー

校長先生とネパール支援メンバー

MISIAさんが名誉園長を務める「MISIAの森」での活動

石川県森林公園内にある「MISIAの森」。mudefアンバサダーで歌手のMISIAさんが名誉園長を務めています。このMISIAの森では、金沢市、mudef様たちと共同で、「生物多様性」について学ぶイベントを開催しています。

ある年には「みのむしになりきれる」という体験を通して、森の多様性やみのむしの意外な生態について解説しました。またある年には、スタンプラリーや森の中で拾った木片や松ぼっくり、どんぐりなどを使って自分だけの森の生き物をつくる、というワークショップも開催しました。
MISIAの森での活動の様子はこちら

学校への出張授業。新しい図工のカタチ「図工2.0」

首都圏の学校を中心に、「デザイン思考」を応用した新しい図工の授業「図工2.0」を開催しています。生成AIやメタバースを使って、理想の小学校を作ろうという授業を行った際は、「AI」「メタバース」といった大人でも難しいと思うような内容をすぐに理解して、応用する子供たちが多く、驚かされました。

他にも、「10年後の自分をイメージした名刺」を作る授業や、「1つのおにぎりのイラストに、他のイラストや文字を添えて、どうしたら美味しそうに見せることができるか」といった、普段デザイナーが行なっているような、実践的な内容の授業も行いました。
「図工2.0」についてはこちら
「図工2.0」の活動の様子はこちら

世界を少しずつ変える。「デザインの力で笑顔をつくる」ということ

普段デザインに触れる機会が少ない海外の子供や、日本の子供などにデザインに触れてもらい、その素晴らしさや可能性を知ってもらった時に、この活動のやりがいを感じます。

普段の業務では、依頼されたデザインを納品して終わってしまうことが多いです。しかしSDLの活動には終わりがなく、継続的にデザインを提供する必要があります。そして、そこでは相手と一緒に自分たちも成長していくことができるのが楽しく嬉しいところです。こうした「相互で成長できること」もまた、「デザインの可能性」なのかもしれません。

みのむしになりきる体験「みのむしのきもち」

ムシの気持ちになれる遊具「みのむし」

クライアントや社会と、目線を合わせた仕事をするきっかけに

私たちが普段の仕事をしてくときに、目の前には常にクライアントがいます。そのクライアントの視線がどこにあるのかというと、エンドユーザーである消費者です。クライアントが開発した商品が消費者に向けられたものであるならば、私たちが提供するプロモーション施策も、消費者に向けられたものである必要があります。

そのように考えたときに、世の中の人たちの思いに触れることは、企画やデザインを進める上で必須の要件だと思います。そのきっかけとしてSDLがあります。活動をして、直に「世の中の人たち」とかかわっていく中で得られる「生のフィードバック」を念頭に置いて仕事をしたい、そしてそれを続けていきたいと強く考えています。

「SDGs」という言葉が一般的になった現在、多くの企業が「CSR(企業の社会的責任)」として社会貢献活動に取り組んでいます。そのような時代の中で、私たちが考えているCSRと、クライアント・社会が考えるCSRの考え方が異なってはいけません。クライアント、そしてその先にある消費者に目線を向けて仕事をしていくためには社会と目線を合わせることが必要です。そのために、この活動を継続していきます。

これからのSDLの支援のカタチ。この先5年、10年と続けていくために

私たちの仕事は、それぞれの個性が仕事の中で生かされる業態です。SDLの活動も同様です。社員の個性、「こういうことをしていきたい」という意思、そして自ら声を上げることが、活動を継続してくための鍵であると信じています。

社員が自分の個性が何かに気づき「これがやりたい」と自ら発信をする。そのように自律的に活動していくことができる環境をつくることは、社員の成長にとって必要であると言えるでしょう。

ご紹介させていただいた通り、2014年の取り組みスタートから現在に至るまで、多くの支援を行ってまいりました。今後も引き続き、国内外問わず「デザインで笑顔をつくる」ためにまい進してまいります。

これからも、たきコーポレーションの社会貢献プロジェクト「TAKI SMILE DESIGN LABO」を見守っていただけますと幸いです。