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デザイナー
遠藤功一朗

投稿者

デザイナー
仲野雄貴

投稿者

社会に大きな変化をもたらした2020年から続く新型コロナウイルスの世界的な流行。人々の日常生活はもちろん、仕事や働き方においても大きな転機となりました。そこで今回は、コロナ禍前入社の先輩デザイナーと、コロナ禍入社の後輩デザイナーの対談を実施。就職活動や働き方の変化、それらのメリット・デメリットについて、語っていただきました。

遠藤 功一朗
東京工科大学卒業。たき工房2019年入社
グラフィックはもちろん、ウェブや映像など幅広い分野のデザインに携わる。
社内部活動:映画部部長
趣味:映画、音楽、服

遠藤 功一朗 個人作品

個人作品:大学の卒業制作で川崎大師のブランディング。年末年始以外の集客や、インバウンドなどをターゲットに様々な広告ツールを作成。ロゴやグラフィック、サイン計画やコミュニケーションツール、さらにはウェブや映像など様々な媒体をイメージして作成。

 

仲野雄貴
東京工科大学卒業。たき工房2021年入社
広告制作を中心に、動画やwebなどにも挑戦中。Photoshopを用いた制作が得意。個人作品として、デジタル画像を加工してコラージュ制作など。
趣味:炭火焼、オーバーオール収集

仲野雄貴 個人作品

個人作品:大学の卒業制作で手持ち花火文化の継承と発展と題し、架空の手持ち花火ショップのブランディング。コンセプトは、年々都市化し触れ合う機会が減りつつある手持ち花火を、多角的な目線から楽しみ方を見出す。夏の夜以外の楽しみ方や触れ合い方をブランディング形式に取り入れながら、より身近に感じてもらい、新たな楽しみ方を提案できるようなパッケージやロゴ制作、サイネージなどの映像媒体も制作。

100%の力を出し切るのが難しかった就職活動

遠藤仲野:それではよろしくお願いします!

遠藤:仲野君は、僕と同じ大学の出身なんですよね。

仲野:そうです。学部も同じ、デザイン学部ですよ。就活生に向けた卒業生の講演などで、遠藤さんが登壇されている姿を拝見していました。

遠藤:仲野君は2021年入社だから、コロナ禍真っ只中での就活だったと思うんだけど、特にどのようなところが大変だった?

仲野:一番大変だったのはポートフォリオの作成ですね。私たちより前の世代は、就活は対面が基本。だからポートフォリオも、冊子にしたり箱にしたり、実際に見て触れることができる作品をよく作っていましたし、私自身そうしたものを作りたいと思っていました。しかし実際に就活が始まると、選考は基本オンラインになり、ポートフォリオもPDFで提出。それで合否判定が出てしまうので、合格した時はよかったのですが、落ちてしまった時は不完全燃焼感がありましたね。

遠藤:たしかに、ポートフォリオの見せ方は大きく変わったよね。僕の場合、それこそ仲野君が言ったみたいに箱を作ったり、めちゃくちゃ大きいポスターを作って規模感を演出したりしていたから、まさしく対面用のポートフォリオと言えるかな。就活が始まるタイミングで、急に画面越しでどう見せるかを考えてデザインしていかなければならなくなったのは、とても大変だったと思う。
作品は、そのデザインに至る経緯やストーリーだったり、さわり心地のような見た目以外の要素だったり、はたまたそれが置かれるであろう周辺の環境だったり、色んな要素が組み合わさることで完成するもの。だからこそ、どういう状況で見せるかが変われば、デザインを根本から見直す必要も出てくるよね。

仲野:本当にその通りです。オンライン面接の時も、カメラ越しに自分の作品を紹介するので、どこかネットショッピング番組のような雰囲気になってしまいました(笑)。あとはリモート対応時の機材トラブルも怖かったです。一度、社長面接の時にカメラが切れてしまったことがあって、あの時は焦りました。

遠藤:そればっかりは対処のしようもないからね。しかもそういうのって、一番起きて欲しくないタイミングで起きるもんね(笑)。

リモートになることで実感した、コミュニケーションの大切さ

仲野:逆に遠藤さんにお伺いしたいのですが、コロナ禍になって仕事の面で変わったことってありましたか?

遠藤:やっぱり、リモートワークになったのはインパクトが大きかったかなー。仲野君にとっては当たり前のことかもしれないけれど、僕の場合それまで毎日出社していたわけで、最初は戸惑いも大きかったよ。プライベートと仕事が分かれていない生活ってどうなのって。でも慣れてくると意外と快適で、なんだかんだ電車通勤って体力を使っていたんだなと実感した。

仲野:じゃあ遠藤さんにとってはメリットの方が大きかった感じですか?

遠藤:うーん、100%そうとは言えないかな。やっぱり課題と感じるのは、コミュニケーションの量だと思う。リモートになるとどうしてもコミュニケーションの量が減ってしまうんだけど、それを原因とした認識の齟齬なんかはやっぱりある。それこそ「こんな感じで作って」って言われてデザインをする時に、互いに出社していたら逐一確認に行けるけど、リモートだとそうはいかない。だからある程度進んだところで報告をするんだけど、そこでようやく「あぁ違う」ってことに気付いて、修正に時間が掛かってしまったりね。チームで行う案件などは特に円滑なコミュニケーションが実現できないことによるやりにくさを感じるシーンはあるかな。

仲野:まさしくそんな経験があります。自分としては意図を汲み取ったつもりでデザインしたものの、方向性が違ってしまっていたみたいで、時間の制約もあり先輩にお願いすることになってしまったんです。あの時は、申し訳ないし、辛かったですね……。

遠藤:周りの仕事が見える、周りから仕事を見てもらえる環境というのは、意外と業務をスムーズしてくれていたんだと実感している。あとはオリエンの時なんかも、リモートだと相手の顔や雰囲気がわからない時もあるから、やりにくさを感じる時もあった。相手が気になっているポイントはどこなのか、知りたいと思っているデザインのこだわりはどこなのか、そういった情報は、対面で顔を見ているからこそ伝わることも多いんだって、改めて思ったから、自分自身も相手に伝える時に、今まで以上に気を付けないとなーって思ったよ。

仲野:そういう意味では、今みたいにリモートをメインとしつつも出社もできる環境というのは、それぞれのいいとこ取りができている感じですね。

遠藤:ほんと、それ!一人で集中したい時はリモート、コミュニケーションが必要だと思うときは出社、というのを使い分けられるのは、とても働きやすいと思う。完全リモートでもなく、完全出社でもないのが、僕たちデザイナーにとってはちょうど良いのかもしれない。

直接会えないからこそ、一人ひとりの発信力強化が求められる

仲野:遠藤さんはこれまでどんなプロジェクトに携わってきたんですか。

遠藤:Webやバナーとかの、デジタル系のプロジェクトが多かったかな。ファッション系のLPや、スポーツ系のWebサイト、あとは有名時計メーカーの限定商品サイトのデザインも担当させてもらったよ。
結構色々なことをやらせてもらっていて、企業のインナーツールとしてパンフレットを作ったり、商品タグを作ったり、SNS広告用のモーションデザインやVIとしてロゴを作ったこともある。元々色々なジャンルのデザインがしたくてたき工房に入社したから、希望が叶っていると言えるね。それに色々なジャンルの仕事を経験することで、それぞれの分野への理解もより深まっていると感じる。Web系のデザインを経験したことで、グラフィックデザインにも新しい視点を取り入れられるようになったりとか。あとは個人的にファッションと映画が好きだから、そういうプロジェクトに関われたらうれしいと思う。社内の部活動で映画部の部長を務めているんだけど、そこで映画の自主製作に挑戦してみるのも面白いかもなんて考えているところ。仲野君はどんな案件を担当しているの?今後、チャレンジしていきたいことは?

仲野:まだ社歴が浅いので、先輩のサポートが中心ですが、グラフィックデザインが多いですね。通信系企業のキャラクターを用いた広告だったり、著名人を起用したインタビュー企画のグラフィックデザインを担当したりしました。最近はWeb系のプロジェクトも入ってきていて、積極的にチャレンジしているところです。学生時代は、Webデザインをやったり、プロダクトデザインをやったり、自作のボードゲームを作ったりと、色んな分野に興味をもっていたので、仕事としても新しいことはどんどんやっていきたいですね。

遠藤:最後に、コロナ禍真っ只中で就活をして、今まさにコロナ禍ならではの働き方をしている仲野君だからこそ感じる、コロナ禍で働いていくコツについて、教えてもらえるかな。

仲野:遠藤さんも仰っていましたけど、やっぱりコミュニケーションの量が少なくなってしまう環境だからこそ、自身で発信していくことが大切だと思います。自分はこんなことができる、こんなことをしたい、というのを積極的に出していかないと、どうしても自身の存在が薄れがちです。自分の仕事は自分で引っ張ってくる、ぐらいの気持ちが必要なんじゃないでしょうか。たき工房で言えば、グラフィックやWeb、動画やVI、さらにUI・UXなど、ありとあらゆるデザインのプロフェッショナルがいて、そこに挑戦できる環境があります。だからこそ、どのようなキャリアを描いていけるのかも自分次第。広い視野を持って、自分のスキルを磨いていきたいです。

遠藤:まさしくその通りだと思う。対社内はもちろん、対クライアントでも、対面の機会が減るからこそ、一つひとつのコミュニケーションを大事にすることが大切だと思うよ。相手のことをわかろうとするのはもちろんだけど、自分自身をわかってもらうための努力も忘れてはいけない。僕もまだまだ偉そうなことを言える立場じゃないけど、デザインの深み、そして人間としての深みがもっと出るように、色々と挑戦していきたいと思う。変化の激しい時代だけど、これからも一緒に頑張っていきたいね。