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デザイナー
桑原詩織

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こんにちは。たき工房VIチームのデザイナー、桑原です。VI開発ブログの第二回目は、VIを大きく左右するロゴの作り方について。

ロゴとは、いわば企業の顔となるものと言っても過言ではありません。その企業「ならでは」をしっかりと表現しつつ、デザインが優れているのはもちろん、視認性など、機能的にも優れたものを制作していく必要があります。だからこそ、ロゴ制作においてはロジカルな部分も決して少なくはないのです。

私たちが普段どういったところに注意してロゴ制作に励んでいるのか、紹介していきたいと思います。

桑原詩織Blog

どのようなロゴを作るのか

一口にロゴと言っても、その種類は実はかなり多いものです。いわゆる企業の顔となるブランドロゴを作る場合もあれば、アニバーサリーイヤーを記念するためのロゴや新商品につけるためのロゴ、期間限定のキャンペーンロゴなど、目的はさまざま。

だからこそ大切なのは、まず初めに「何のためにロゴを作るのか、どのようなところでロゴを使うのか」ということをしっかりとクライアント様にヒアリングしていかなければなりません。ヒアリング内容によっては、全く新しいロゴを作った方が良い場合もあれば、既存のロゴをカスタマイズした方が良い場合もあるでしょう。

ロゴ制作には、必ず背景となる事象があるはずですから、そこをしっかりと掘り下げる。そのファーストステップを踏まないと、制作側は暗中模索することになってしまいますし、クライアント様の方も理想とするロゴがなかなか提案してもらえない、という負のスパイラルに陥ってしまいます。

アンケートや視覚調査などで課題を分析

ロゴが使用されるシーンや目的をはっきりとさせたら、次はアンケートや視覚調査などを行い、現状の課題を分析していきます。

正直、ロゴ制作にはセオリーや正解というものがありませんから、課題や悩みもクライアント様ごとに千差万別。「ロゴを作ったのがかなり前で、古く感じるので新しくしたい」という悩みはよくありますが、長く使用したからこその価値があるケースも少なくありません。

また最近では、今まで主に紙媒体で利用していたロゴをWEB上でも利用するようになったため、小さく表示しすぎて視認性が悪くなってしまっていたり、昔から使っている色味を出せなかったりという課題も出てきています。

ロゴというのは、それ単体で機能するものではありません。使う場所やツールに応じた対応が求められ、時代に合わせてしっかりとアップデートしていく必要があるんです。

機能性とエモーショナルのバランスを大切に

クライアント様の想いと現状の課題を分析したら、いよいよ本格的なロゴ制作に入っていきます。

ここで大切なのが、どのようなシーンでも安定して使える機能性と、見た人の印象に残るエモーショナルな部分のバランスをいかにとるかということ。機能性ばかりを高めればつまらないロゴになってしまうし、エモーショナルばかり意識していると見えにくかったり使いにくかったりといった問題が出てきてしまいます。

デザインに求める要素はクライアント様によってまちまちですが、要望をしっかり把握していないと、クライアント様に響くものを出すことがなかなかできません。やっぱり事前のヒアリングが大切ですね。「こうしたいと言っていたから、こうしました」という会話をできるようにしておかないと、なかなか建設的に話が進みません。

加えて、デザイナー一人ひとりの会社への理解やデザインに関する知識も必要です。競合他社やその業種が持つイメージから離れすぎたデザインでは、良いブランドイメージを持たせることはできませんし、「こういった色を使えば元気の良い印象を与えることができる」といったデザインのロジックも把握しておかなければなりません。

その上で、クライアント様の要望とこちらからの提案をミックスさせていきつつ、機能性とエモーショナルの両方を満たすロゴを作っていきます。

意外と盲点になっている、商標登録

ロゴ制作の際、意外と盲点になっているのが、商標登録についてです。ロゴの形やデザインが既に商標登録されていないか、事前に確認しておかなければなりません。それを怠ると、いよいよ完成間際となったところですべてがやり直しになってしまったり、場合によっては作った後に何かしらのトラブルに発展してしまうことも。また、ロゴに社名などの文字を入れるのであれば、既存の書体によっては商標登録できないものもありますので、気をつけなければなりません。

ロゴ制作は時間がかかるもの

目的を詰めていくヒアリングの部分から、商標登録などの法律に関する部分まで、ロゴ制作には意外と時間がかかるものです。特に、ポスターを作る時のように、デザインしてそこで終了!となるわけではないのが難しいところですね。

例えば精緻化作業といって、サイズやカラーにおかしな点はないか、小さく表示したときに見えにくくはならないか、データに不備がないか、といった細かい部分を見ていく作業もあります。それこそ、文字の大きさを0.01mmだけ小さくする、隣接する文字との隙間を0.01mmだけ広くする、角度を0.1度だけ変える、といった工夫があるだけで、ロゴの印象や使いやすさが大きく変わることも少なくありません。いくらデザイン的に優れていても、文字の視認性が低く、間違った名前で認識されてしまったら、検索にも引っかからなくなってしまいますしね。

ロゴ視覚調整

一緒に作っていくことを楽しんで欲しい

色々な種類のサービスが登場している昨今、ロゴ制作においても、安価かつ短期間で制作を請け負ってくれるところが少なくありません。

しかし今回解説してきたとおり、精緻化作業や商標登録のように、ロゴ制作は想像以上に時間と手間がかかるものです。逆に言えば、そうしてかけた手間の分だけ、ロゴの魅力が増すということでもあります。

こだわりにこだわり抜いたロゴを作るため、制作にかかる時間や手間も含めて楽しんでいってもらえたらうれしいですね。

CI/VI・アプリケーション開発について(CI/VIダウンロード資料あり)
https://www.taki.co.jp/solution/civi/