TAKIブログ

UXデザイン制作カンパニーIDEAL
アートディレクター
長山大樹

投稿者

ブランディング制作カンパニーIGI
デザイナー
米山浩太郎

投稿者

こんにちは、TAKIブログ編集部です。先日、たきコーポレーション65周年を記念して、周年記念ロゴ制作の社内コンペが開催されました。そうして選ばれたのが、UXデザインカンパニーIDEAL所属の長山大樹のロゴと、ブランディング制作カンパニーIGI所属の米山浩太郎の「ライヴィー・ムーヴィー」というキャラクターです。今回はそのお二人に、作品に込めた意図や思いについて語っていただきました。

長山大樹
2004年にグラフィックデザイナーとして入社。現在、UXデザインカンパニー「IDEAL」に所属、アートディレクターとしてグラフィックデザインを中心にデジタルやムービー、イベントなどのプロモーションの企画・制作。空間演出やプロダクトデザインなど幅広い領域で活動。また、小学生向けのデザイナー体験のワークショップやオンラインデザインスクール D-TOKYOでの、「すごい赤入れ、たきグラフィックマスター 1on1」クラスの講師も務めています。

米山浩太郎
2013年桑沢デザイン研究所に入学。アートディレクターである浅葉克己氏のゼミに入り、タイポグラフィを中心にグラフィックデザインを学ぶ。卒業後、株式会社たき工房(現たきコーポレーション)に入社。2018年に大規模イベントの組織へデザイナーとして出向後、2022年からブランドデザイン部へ入り、企業のブランディングに携わる。昨今は趣味として始めたCGを用いて映像やビジュアルの制作など活動の幅を広げている。

65周年記念ロゴ「覗いて学ぶ65周年。」

65周年を祝う、全社員参加型のコンペ

―周年記念ロゴの制作に参加しようと思ったきっかけを教えてください。

長山:私の場合、特にこれといった理由やきっかけがあるわけではないのですが、昔から社内イベントには積極的に参加してきたので、その延長でという感じですね。所属するカンパニーIDEALの設立時の代表 藤井さんも、イベント事には積極的に参加する方なので、その影響もあるかもしれません。米山さんはどうですか?

米山:私が所属するカンパニーIGIは、ブランディングを強みとしていることもあり、仕事でもロゴを作る機会が多くあります。さすがに、普段からロゴを作っている人がロゴを作るイベントに参加しないわけにはいきませんし、折角ならクライアントワークではできない挑戦をしてみようと思って、参加した感じですね。

「覗いて学ぶ」がコンセプト

「覗いて学ぶ」がコンセプト

それぞれの作品に込められた意図と思い

―今回作成されたロゴは、それぞれかなり異なる印象を持っていますが、どのような発想で制作されたのですか?

長山:私は頭の中でコンセプトを探すのに時間をかけるタイプなので、ロゴ制作に関するオリエンを聞いてから、1~2週間程度はコンセプトをどうするか考えるのがメインでした。寝る前に資料を読みかえしてみたり、ふと思いついた言葉やキーワードをメモしたり。そうしてコンセプトが決まってから、ビジュアルや展開例を考えていった感じです。

米山:私も似た感じです。先にスケッチとかから始めてしまうと、どうしてもそのイメージに執着してしまって、アイデアが広がらないんですよ。なのでまずは「つくる。その喜びで、生きる。動かす。」というパーパスから、ロゴ自体が生き生きとしていたり、動いたりするようなものとかどうだろう?という発想でブレストを進めていきました。

長山:そうして出てきたのが、あのキャラクターだったんだ。あれはかなり予想外で、正直驚かされましたね。

米山:クライアントワークではないので、普段はできないような挑戦をしてみようと思ったんです。ロゴってどこか固いイメージもあるものですから、あえてイキイキとした、動きのあるものにしてみたいなって。まぁ自分でもかなり異質で、ロゴっぽくないなとは感じていますけどね。長山さんのは、『覗く』がキーワードになっているんですよね?なんでそうしようと思ったんですか?

長山:たきコーポレーションが65周年を迎えることはとてもめでたいことなんだけど、技術革新が進んでいくこの先の未来に、たきはどうなっていくのかも考えていかなければいけないと思ったのが、要素としては強いですね。それで、過去から未来まですべてを覗けるようなスコープのイメージをロゴに持たせることにしたんです。こうした制作において、ロゴ自体を素敵に作るのはもちろんですが、やはりそこに至る背景というか、付随するストーリーに共感してもらうことも大切ですから、多くの人に納得してもらいやすいキーワードを選んだ感じですね。

ぬいぐるみ

特注でぬいぐるみも制作!

散りばめられたさまざまなこだわり

―それぞれ独自の目線やメッセージが込められているんですね。それ以外にもこだわったポイントはありますか?

長山:厳密にはデザインとは異なるテクニックではあるんですが、一番に提出するというのは意識しましたね。というのも、今回の企画は投票によってロゴが選ばれ、しかも掲載順序が提出順ということだったので、最初に見てもらえるようにしようと思ったんです。そうすれば、投票に参加してくれた人全員に見てもらうことができますし、印象にも残りやすくなるので、票数を増やせるのではないかと考えました。

米山:そこまで計算していたんですね!確かに投票する側も「最初に見たものの印象が強く残る」ということはありますね。ただ一方で、トップバッターは基準点にされてしまう可能性もあるわけですから、ちゃんと結果に繋がったのは、やはりクオリティが高かったからこそなんでしょうね。

長山:そう言ってもらえると嬉しいです。加えて、全社員が対象だったこともあり、デザイナーにだけ伝わるような細かいディテールにこだわるよりは、コンセプトの方をよりしっかり練り込もうというのも意識していました。ただ米山さんのもかなり個性的で、とても印象に残りやすかったはずです。単にキャラクターっぽくするというだけでなく、細かいところにもこだわりが詰まっているんじゃないですか?

米山:キャラクターにするからこそ、表情や形状、それぞれのパーツの位置を定めるのにはかなり苦労しましたね。よりスピーディかつたくさんの選択肢からアイデアを絞っていけるように、生成AIも活用しながらパターンを作っていきました。その中には、完成形とは程遠い残骸となってしまったデザインもあるにはあるのですが、そうした一つひとつの検証が、最終的な成果物へと繋がっているんです。

AIの力も借りて、デザインの方向性を探った

AIの力も借りて、デザインの方向性を探った

65周年をもっともっと盛り上げたい

―長山さんの作品は得票数1位、米山さんの作品は得票数3位という好成績を残し、65周年を祝う正式なロゴ&キャラクターとして採用されました。その結果を受けての率直な感想を教えてください。

長山:単純に嬉しかったですね。また投票してくれた方と話したら、コンセプトを読んだ上で良かったと言ってもらえたので、狙いがばっちりハマったなと感じました。

米山:私は逆に驚きました。正直、ロゴを作ろうと言われてキャラクターを作ってきたら、怒られる可能性もあるんじゃないかと思っていましたから。ただ、やっぱりたきコーポレーションは『クリエイティブの会社』なんでしょうね。こういう挑戦を面白いと思ってくれる人がたくさんいて嬉しかったです。

長山:お世辞抜きに、その手があったかと思いましたよ。またロゴだけだと使い方が限られてしまいますが、キャラクターになることで遊びの幅もグッと広がったように感じます。実際、ぬいぐるみを作ったり年賀状にも入れたりしているんだよね。

米山:噂によればアクリルキーホルダーも作られているらしいです。作者の私は知らなかったんですが(笑)。

長山:文字通り、キャラクターが独り歩きしているんだ(笑)。でもそういうのも含めて、65周年にお祭り感が出てきたのはすごく良いことだと思います。社員全員で祝いつつ、これから先もっと前へと進んでいくきっかけになれば嬉しいですね。

米山:もっと使い道を増やせるように、キャラクターの新ポーズとかも考えていきたいですね。期間が限られているからこそ、できることをできるうちにしっかりとやっていきたいと思います。