もくじ

内容[よむ]

速水健朗
ライター・編集者

「商業空間の変化」

メディア論、団地研究、音楽、文学まで幅広い分野で執筆編集活動を行う著者が、自身のフィールドである都市論、ショッピングモール研究の視点で、商業空間の歴史を辿る。「商業考古学」という視点から商業がつくる文化について論じるなかで、デザインは誰のためのものだったのかを探る。

傳田光洋
皮膚科学研究者

「世界とわたしをつなぐ皮膚」

皮膚は第三の脳であると語る著者が、人以外の生き物も含めた研究を通して皮膚の思いもよらない役割を教えてくれる。生物の脳と皮膚の関係から議論は物理学や芸術、宇宙にまで展開する。世界との境界である皮膚感覚が持つ可能性が、より良き未来を示唆する。

最果タヒ
詩人・小説家

「たった一つの火」(詩)
「言葉を産むしかない獣」(エッセイ)

言葉と向き合い続ける著者による、言葉の変化と人の感情についてのエッセイと詩。「言葉」というものは、そもそもどういうものなのか、なぜ人は言葉を使うのか。そして言葉はどう見えて、どう見せられるのか。

岡崎エミ
コミュニティデザイナー

「ものではなく、
人のつながりをデザインする」

まちづくりのため、人々のコミュニケーションの再構築を図るコミュニティデザイナーに聞く、人の気持ちの引き出し方とデザインが及ぼす影響、そして必要性。サステナブルに人をつなぐための“デザイン”とは。

山田亮太
詩人

「光る手」

詩人でもあり、アートユニットのメンバーでもある著者。作品は、詩人でもあり彫刻家でもあった高村光太郎の戦時期にフォーカスした文章と、現代に生きる自身の回想録が同時進行していく。そのふたつをつなぐ絵とともに、アンカット製本ならではの構成が見せてくれる世界。

藤井賢二
クリエイティブ・ディレクター

「本質的な視点を持つことの大切さ」

広告制作会社「たき工房」クリエイティブディレクターが語る、この書籍編集を含む企業として挑戦しているプロジェクトと、変わりゆく時代によって浮き彫りになる本来のデザインの目的。

内容[みる]

和田裕也
フォトグラファー

「DUPE」

写真にとって「トーン」とは何なのか。「オリジナル」とは。
独自の手法による複写写真を通して、複製/模倣/再製といった作家を取り巻く問題から、遺伝/家族/ナショナリズム…という問題への示唆を暗示させる。
http://www.yuyawada.com

津山吉弘(2yang)
イラストレーター

映像再生装置的活動として絵を描きはじめた画家による絵は、無声映画のようにふたつのストーリーをつなぐ。日常の雑音とともに通り過ぎていく風景、夢のようだけれど確かにあった無音の一瞬。文章と絵による世界は、自分の見方で幾重にもなっていく。

モノ・ホーミー
図案家

「所」

東京を拠点に活動する図案家のペン画、袋とじの中の[所]は、読者が袋とじを開くことで新たな意味が与えられます。定住、秩序、分断、繋がり、他者。絵と現実の境界が曖昧になっていく。
デザイナーと図案家の合意形成の模索である「Enigma365に基づく合意形成」も掲載。
https://monotime.tumblr.com/

装幀

小畑照幸・高橋彩基/木村高典

アンカット製本

アンカット製本という旧来のヨーロッパの製本方法で、ところどころ袋とじになっています。おおまかに「よむ」パートは袋とじの外、「みる」パートは内側に収録しています。内側は下から覗きこむか、付録の(もしくはお手持ちの)ペーパーナイフで開いてご覧ください。道具を使いながら「よむ」と「みる」を体験、ご自身だけの本の完成をお楽しみください。

袋綴じの中をご覧になりたい場合は、お手持ちのペーパーナイフなどで開いて読み進めてください。

巻末に、ペーパーナイフを付録してあります。

透明シートから切りはなした際のミシン目のギザギザした部分は、のこぎりの刃のようになります。のこぎりを使う要領で、小刻みにギコギコと動かしながらお使いいただくと、開きやすくなります。

万一、切り取りの際に本書が破けてしまった際でも責任を負いかねます。ぜひそれも含めてお楽しみください。 本書には印刷のないページが設けてありますので、練習にもどうぞ。(160-175ページ、352-368ページ)

タイトル+コンセプト

いわゆるデザイン業界以外のジャンルで活躍する方々の作品や寄稿、インタビューを掲載しました。どこまで読んでも「デザイン」という言葉自体出てこない章もあります。そこから立ち上る多様な「視点」を、デザインに携わる読者の皆さんが採り入れることではじめて、「デザインについてのはなし」に変わります。
それぞれの表現からは、実に多様なデザイン的思考を感じることができます。ふだんデザインを意識していない読者の方にとっては、この本がデザインとの接点になれば幸いです。

この本は、“世の中には自分とは違う人がいることを認めて、受け容れていきたい”という考えがテーマになっています。
ふだん我々はデザインされたものに囲まれて生活をしていますが、デザインをする人も頼む人も使う人も、そう考えることができたら、できあがるデザインも変わり、社会や世界に良い変化をもたらすきっかけになるのではなか、と思っています。

「人につたえたくなる、をつくる」をテーマに、様々なデザインプロダクトをつくってきたTAKI PRODUCTSが伝えたかったことを、一部ではありますが書籍という形にして伝えます。手にとっていただいた方々にとっても、何かを感じていただけるきっかけとなり、誰かに伝えたくなるものになってくれたら、これ以上の喜びはありません。

企画
木村高典(たき工房)

デザイン
木村高典、 小畑照幸、 高橋彩基

編集
佐藤暁子


津山吉弘
-山田亮太「光る手」
モノ・ホーミー
-岡崎エミ「ものではなく、人のつながりをデザインする」

写真
和田裕也
-傳田光洋「世界とわたしをつなぐ皮膚」
藤井麻衣子(SHAKTI)
-岡崎エミ「ものではなく、人のつながりをデザインする」
-藤井賢二「本質的な視点を持つことの大切さ」

プロデューサー
山田啓博、平岩沙織、溝部暢子、髙林滉平

印刷・製本
グラフ株式会社

発行
2019年4月20日

発行者
TAKI PRODUCTS
https://www.taki.co.jp/taki_products/

発行所
株式会社たき工房
住所 | 〒104-0045 東京都中央区築地5-3-3 築地浜離宮ビル
TEL | 03-5550-3882
WEB | https://www.taki.co.jp